カザフスタン裁判所、CoinbaseやHTXなど仮想通貨交換業者6社に無許可事業の禁止とアプリ削除を命令

カザフスタン裁判所が仮想通貨交換業者に無許可事業禁止とアプリ削除を命令

カザフスタンのAIFC(アスタナ国際金融センター)裁判所は、暗号資産取引所大手であるCoinbase(コインベース)、BingX(ビンX)、HTX、BitMart(ビットマート)、WEEX(ウィークス)、Bitcoin.com(ビットコイン.com)の運営者6社に対し、同国管轄区域内での無許可サービス提供や広告活動の即時停止を求める裁判所命令を下した。

併せて、Apple(アップル)およびGoogle(グーグル)などのアプリストア運営者に対し、対象アプリの国内アクセスを遮断する地理的制限(ジオブロック)の適用を指示しています。

長期にわたる規制法執行とアプリ遮断命令

AFSA(アスタナ金融サービス局)の発表によると、今回の決定は2025年から継続的に実施されてきた一連の無許可事業者取り締まりの一環だ。当初、当局は20社以上の暗号資産プラットフォームに対して書面による法遵守の警告を実施した。

その後、9社が自発的に国内からのアクセス制限を実施したことで申し立てが取り下げられたほか、7社が正式なライセンス取得手続きへと移行。当初は裁判所の差し止め対象に含まれていたLBankについても、自らカザフスタンからのアクセスを自主遮断したため、9月18日付の裁判所判決修正により対象から除外された。その結果、残る6社に対して司法を通じた厳正な執行措置が取られることとなった。

今回の判決ではサービス停止に加え、対象企業に対して訴訟費用ならびに裁判所手数料として約199万5,000カザフスタン・テンゲ(約70万円)の支払いが命じられている。

健全な市場環境の構築と利用者保護の背景

AFSAのエヴゲーニヤ・ボグダノワ(Evgeniya Bogdanova)CEO(最高経営責任者)は、今回の決定が監督・執行動による長期的な取り組みの結実であると述べている。

カザフスタン当局は、ライセンス未取得の事業者が横行することにより、正規の手続きを踏んで運営する事業者との間で不公平な競争環境が生じる点について懸念を表明。正規事業者は、AML(マネーロンダリング防止)やCFT(テロ資金供与対策)、KYC(顧客本人確認)などのコンプライアンス管理に多大なコストを投じている。

無許可事業者はこれらのコスト負担を回避しているため、市場の公正性が損なわれると結論付けられた。また、規制当局の法的な保護(顧客資産の分別管理、厳格な情報開示、紛争解決手続きなど)が提供されない無許可プラットフォームの利用は、一般投資家に重大なリスクをもたらすと警告されている。

合法市場の拡大と今後の取締り方針

カザフスタンは近年、国内の合法的な暗号資産市場の育成に力を入れており、過去3年間で同国の規制下にある市場規模は30倍以上となる100億ドル(約1.58兆円)規模に拡大した。

個人投資家向けの税制優遇措置などを提示する一方で、違法取引や無許可の店頭取引(OTC)への監視姿勢を強めている。

同国ではすでに過去1年間で1,100を超える無許可の暗号資産関連サイトへのアクセス遮断が実施されてきた。過去に試みられたWebサイトのドメインブロックだけではVPN(仮想私設網)の利用による回避策が存在したため、今回はAppleやGoogleを巻き込んだ「アプリストアレベルでの直接削除」へと踏み込む形となった。AFSAは2026年5月よりカザフスタン国立銀行と連携し、健全なデジタル資産市場の維持に向けて取り締まりを強化している。