ブラックロックが新ビットコインETFを申請
世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)は、SEC(米国証券取引委員会)に対し、価格下落時の損失を抑える仕組みを取り入れた新たなETF(上場投資信託)の申請書類を提出した。
主力商品である既存の現物ETF IBITが爆発的な資金流入を記録するなか、同社はより幅広いリスク許容度を持つ投資家層の取り込みを図っている。
下落リスクを抑える新ファンドPBITの構造
今回申請された商品は「iシェアーズ・ビットコイン・マネージド・プロテクションETF(ティッカーシンボル:PBIT)」だ。これは金融市場でバッファー型や確定リターン型と呼ばれる投資商品の一種であり、上昇益の一部を放棄する代わりに、下落局面における損失を一定範囲内に軽減する特徴を持っている。
このファンドは、ビットコイン(Bitcoin/BTC)の現物を直接保有するのではなく、ブラックロックの旗艦ファンドであるIBIT (iシェアーズ・ビットコイン・トラスト)などに連動するオプション取引を活用する。開始時期を毎月ずらした約3カ月間の運用期間(トランシェ)を3つ重ね合わせる設計を採用。購入時の基準価格より約10%下落した水準を行使価格とするコール・オプションなどを組み合わせることで、初期段階における損失を概ね10%程度に限定することを目指す。
同時に、高めの行使価格のオプションを売却して資金を調達するため、ビットコイン価格が急騰した場合のリターンには上限(キャップ)が設定される。また、流動性管理や利息収入の確保を目的として、短期国債やマネー・マーケット商品などの固定利回り資産も保有する計画だ。
主力ETF IBITには1日で6億6000万ドル超の資金流入
新ファンド申請の背景には、既存のビットコイン現物ETF市場における同社の圧倒的な存在感がある。2024年1月に運用を開始したIBITは急速に成長を遂げ、運用資産残高は650億ドル(約10兆円)を突破する巨大ファンドへと発展した。
データ分析プラットフォームSoSoValue(ソソバリュー)の集計によると、直近の月曜日においてIBITへ単日で6億6,520万ドル(約1,052.7億円)もの資金が純流入。この日、主要なビットコイン現物ETFの中で純流入を記録したのはIBITのみであり、競合他社のファンドから資金が流出する中で独歩高の展開となっている。
米国市場ではインフレ指標の発表を受けた金利観測の変化などから一時的な資金流出局面に直面していましたが、ブラックロックの商品に対する機関投資家からの強い需要が改めて浮き彫りとなった。
アルドコインへは広げずBTC・ETHへ集中する独自の戦略
暗号資産市場では、ソラナ(Solana/SOL)やXRP、ドージコイン(Dogecoin/DOGE)といったアルトコインに連動するETFを立ち上げる運用会社が増加している。
BREAKING🚨 @BlackRock just filed for another Bitcoin ETF. This one will be a "buffer" Bitcoin ETF which will means it will offer downside protection but investors will give up some upside to get that protection. Ticker will be $PBIT. https://t.co/302iMwn2fR
— James Seyffart (@JSeyff) October 19, 2026
注目すべきことに、これは彼らからの3番目のビットコインETF申請です。依然としてビットコンとイーサリアム製品のみで、他の暗号通貨はありません。また、この商品は…
しかしブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェームズ・セイファート(James Seyffart)氏が指摘するように、ブラックロックは取扱銘柄をビットコインとイーサリアム(Ethereum/ETH)の2主要銘柄に絞り込む姿勢を崩していない。
同社は既に、インカムゲイン(オプション・プレミアム収入)の獲得を狙うBITA (iシェアーズ・ビットコイン・プレミアム・インカムETF)や、イーサリアム現物ETF(ETHA)を展開。取扱資産の種類を無闇に拡大するのではなく、同一資産内での投資手法やリスク・リターン構造の多様化を推進する手法を選んでいる。
今回のPBITの申請は暫定的なものであり、具体的な運用管理報酬や上場日、上場取引所などは未定だ。今後、SECによる規制審査を経て正式な登録届出が完了した段階で、市場への本格的な提供が開始される見通しだ。
巨大な販売網と圧倒的な流動性を誇るブラックロックの参入により、下落保護機能を備えた暗号資産金融商品の需要は一段と高まることが予想される。
























