メキシコ当局が電力窃盗による暗号資産マイニングを摘発
メキシコ当局は、プエブラ州において大規模な暗号資産の違法マイニング拠点を摘発し、操業に使用されていた専用コンピューター約300台を押収したことが明らかになった。
今回の摘発は、地域の重要インフラを脅かす組織的な電力窃盗の実態を浮き彫りにしており、捜査当局は広域な調査へ乗り出している。摘発が行われたのは、プエブラ州北部の山岳地帯に位置するトラオラ(Tlaola)で、当局は現地調査において、GPUなどを搭載したマイニング機器約300台をはじめ、変圧器、中電圧用機器、稼働状態にあった衛星インターネット端末などを一括して押収した。
特に問題視されているのは、この拠点が連邦管轄の「ヌエボ・ネカクサ水力発電所」に接続された送電網から、膨大な電力を不正に流用していた点だ。連邦水力発電インフラ周辺での異常な電力消費や不審な動きに関する情報提供が、摘発の決定打となった。
暗号資産自体は合法も電力窃盗と資金洗浄に焦点を絞る
メキシコ国内において、暗号資産のマイニング行為そのものは法的に認められている。そのため、今回の合同捜査班(CFE(連邦電力委員会)、司法長官室、海軍など)は、事業の根幹となる電力の窃盗容疑に狙いを定めて捜査を展開している。
さらに検察当局は、摘発された施設で得られた暗号資産が、犯罪組織によるマネーロンダリング(資金洗浄)や違法収益の隠蔽(いんぺい)に利用されていた可能性についても慎重に分析を進めている。なお、現時点で当該システムが具体的にどの暗号資産(ビットコイン等)を採掘していたかについては、特定に至っていない。
深刻化する電力損失と相次ぐ違法拠点の摘発
メキシコでは違法マイニングによる電力被害が拡大傾向にある。CFEの公表データによると、2024年1月から7月までの期間だけで6,346GWhにおよぶ電力損失が記録されており、その市場価値は138億ペソ(約1,258.4億円)規模に達している。
これに伴い当局は警戒を強めており、2025年に入ってからもプエブラ州および隣接するトラスカラ州の境界付近で、すでに3件のマイニング施設を解体。今回のトラオラでの事件は地域で4件目の摘発事例となる。捜査当局は、人里離れた拠点が監視の盲点になっているとみて、近隣自治体や周辺地域にも同様の違法ネットワークが隠されていないか全容解明を進めている。
























