スイスのステーブルコイン実証実験にSIXとTWINTが参加、テスト段階へ移行

スイスフラン連動型ステーブルコイン「CHFD」がテスト段階へ

UBS銀行を中心とするスイスの銀行グループ(PostFinance、Sygnum、Raiffeisen、ZKB、BCV)が立ち上げたスイスフラン(CHF)と1対1で連動するステーブルコイン「CHFD」の構想において、テスト段階へ移行したことが分かった。

これに伴い、金融市場インフラを担うSIXと国内主要決済アプリを運営するTWINTが新パートナーとして参画し、参加機関は全9社へ拡大した。管理されたサンドボックス環境(CHFD Infrastruktur AG運用)におけるテスト段階へと移行した。

参画企業の拡大がもたらす検証範囲の広がり

当初は銀行間決済を主眼に置いた取り組みだったが、市場インフラを支えるSIXと生活密着型決済を誇るTWINTが加わったことで、検証範囲はリテール決済や市場インフラ、カストディ領域へと大きく広がった。具体的には以下のようなユースケースが検証されている。

機関投資家向け決済:
自動化された銀行間取引やトークン化資産の即時決済(DVP)による処理遅延の削減
プログラマブル決済:
条件付き決済を活用したECサイト等の不正リスク低減、イベントチケットへの公平なアクセス確保、公共決済の効率化

技術・規制上の位置づけと今後の展望

このプロジェクトは完全に管理された実験環境であり、個人利用や商用化、パブリックチェーン上での一般公開、上場等を現時点で決定するものではない。また、スイス国立銀行(SNB)が推進するホールセール型CBDC(プロジェクト・ヘルヴェティア)とは異なる民間主導の試みだ。

すでに市場には既存の競合デジタルフラン(CHFAU、VCHF、Frankencoinなど)が存在するが、主要行・インフラ・日常決済網が一体となったこの協調体制は大きな優位性となり得る。実験は2026年末まで継続される予定で、技術・運用・規制上の課題を明確化した上で最終的な評価が行われる予定だ。

 

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