CFTC議長が米国の法律を故意に破ったバイナンスを叱責

ロスティン・ベーナムCFTC議長がバイナンスを叱責

CFTC(米国商品先物取引委員会)のロスティン・ベーナム(Rostin Behnam)議長は、バイナンス(Binance)が意図的に規制規則を破り、米国人を取引所から遠ざけられなかったと叱責(しっせき)している事が分かった。

CFTC議長は、意図的に規制規則に違反したとしてバイナンスを叱責したと、大手メディアのブルームバーグが報道。同議長は、バイナンスと、“CZ”氏ことジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)が、米国の法律を遵守(じゅんしゅ)せず、米国人を取引所から遠ざけているとして批判した。

バイナンスは意図的に米国の法律を破った

プリンストン大学のイベントで、同議長は、彼らは大企業を立ち上げたものの、規制当局に登録することなく米国の顧客に先物契約とデリバティブを提供したと述べたうえで、次のように語っている。

彼らは洗練されていない個人ではありません。彼らは大企業を立ち上げ、米国の顧客に先物契約とデリバティブを提供しています。

3月27日(月曜日)、CFTCはバイナンスとジャオCEO、および関係者を、米国の顧客に取引およびデリバティブサービスを違法に提供することで米国の法律に違反したとして起訴した。CFTCは、プライベートメッセージに関する不正行為、ジオブロッキング実施の失敗、違法な顧客活動の知識についてバイナンスを叱責。同議長は、バイナンスが故意にルールを破ったと主張。バイナンスは、そのような契約を提供する前にCFTCに登録することを明確に理解していたにもかかわらず、米国でデリバティブ取引を提供したという。

さらに、同議長は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、USDコイン(USDCoin/USDC)などのステーブルコインがコモディティであることも繰り返しアナウンスしている。CFTCは、BTC、ETH、USDCを、ドイツ銀行の投資銀行家であるラショーン・ラッセル(Rashawn Russell)氏に対する最新の仮想通貨詐欺および横領事件のコモディティ(商品)と定義している。

以前同議長は、米国の規制に違反したとしてバイナンスに対して訴訟を起こすことを明らかにしている。なお、バイナンスは、IRS(米国内国歳入庁)、連邦検察官、SEC(証券取引委員会)の厳しい監視下に置かれている。バイナンスのジャオCEOは、CFTCによる請求に失望しており、規制当局と協力して遵守する意向を示している。

過去数年間、バイナンスは高いデリバティブ取引量を記録していたものの、CFTCの訴訟以降、その取引量は減少している。