エルサルバドル、ロシアとの貿易に仮想通貨決済を提案

エルサルバドルがロシアとの貿易に仮想通貨決済を提案

ロシア大使館関係者によると、エルサルバドルは制裁による財政的制約を乗り切るため、ロシアとの貿易に仮想通貨を使うことを提案した事がわかった。

エルサルバドルは制裁により、ロシアとの財政的関係を維持する選択肢が限られていることから、ロシアとの貿易にビットコイン(Bitcoin/BTC)を使うことを提案。ナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領率いる同国の公式通貨である米ドルはロシアが制裁を課しており、仮想通貨の利用の必要性が高まった事が背景にある。また、ビットコイン推進派の同国は、経済成長を促進するためBRICSへの加盟も検討しているとのことだ。

ロシア国営紙Izvestia(イズベスチア)のインタビューで、ニカラグア駐在ロシア大使館一等書記官でエルサルバドル事務所長のアレクサンダー・イリュキン(Alexander Ilyukhin)氏は、エルサルバドルが米ドルを自国通貨として認めていることから、エルサルバドルとの貿易の課題を強調。そのため、エルサルバドルは仮想通貨が代替手段になる可能性があることを提案したとロシア関係者は述べたうえで、次のように語っている。

エルサルバドルはビットコインを法定通貨として正式に採用した最初の国です。国内では、観光客なら誰でもビットコインを使ってサービスの支払いができます。

なお、ロシアとエルサルバドルが検討した選択肢の1つは、インドルピー、ロシアルーブル、中国元など、異なる通貨での取引をサポートできる銀行をエルサルバドルに設立することだ。

貿易を促進する他の方法を模索

エルサルバドルは2021年9月にビットコインを法定通貨として採用した世界初の国で、この決定は、マイアミで開催されたビットコイン2021カンファレンスでブケレ大統領が発表した。

この提案にもかかわらず、イリュキン氏は、ロシアが2021年初頭に法定通貨としての仮想通貨を禁止したため、現段階では国境を越えた貿易に仮想号通貨を採用する可能性は低いと指摘し、次のように述べている。

ビットコインはわが国では広く使用されていないため、貿易を促進する他の方法を模索しています。エルサルバドル政府はロシアとの経済協力を継続する準備ができています。

貿易の手段としての仮想通貨に関する議論は、両国間の金融取引を促進するための幅広い取り組みの中で行われており、観光業発展のために、ロシア人がさまざまな国で自由に支払えることが非常に重要だと同氏は述べ、仮想通貨が今のところ唯一の実行可能な選択肢かもしれないと示唆している。

ロシアは仮想通貨による支払いを禁じているが、法改正が近づいており、ロシア議会は最近、仮想通貨関連の法案2件を第1読会で可決している。この法案により、中国、インド、UAE、トルコなど、主要パートナーとの国際貿易にデジタル資産を使用することが認められる可能性が高まっている。

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