サムスン、Galaxyウォレットから仮想通貨取引を可能に
サムスンは米国のGalaxyスマートフォンユーザー7,500万人を対象に、仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)との連携を強化した。
これにより、サムスン・ウォレット(Samsung Wallet)を通じて仮想通貨の購入や管理が可能となり、スマートフォン上でシームレスに取引を行えるようになる。対象ユーザーにはコインベースの会員サービス「Coinbase One」3カ月無料特典が提供され、取引手数料の無料化やステーキング報酬の増額などが含まれる。
We’ve partnered with @Samsung to bring crypto to 75+ million new people. pic.twitter.com/MGZyXJeAxN
— Coinbase 🛡️ (@coinbase) October 3, 2025
提携の背景と機能拡張
サムスン・ウォレットでのコインベース連携は2025年7月に開始され、Galaxyスマートフォンのサムスン・ウォレットを通じて仮想通貨を購入できる環境が整った。
これにより、ウォレット内で仮想通貨の閲覧や管理、銀行送金、P2P(ピアツーピア)送金、暗号鍵などのデジタルデータの安全な保管が可能となった。さらに、ユーザーはサムスン・ウォレット経由でコインベースへ資金を入金できるため、アプリを切り替えることなく仮想通貨を取引できる。
コインベースの最高事業責任者シャン・アガーワル(Shan Aggarwal)氏は「サムスンとの協力により、同社の世界的なスケールとCoinbaseの信頼できるプラットフォームを組み合わせることで、米国の7,500万人から始めて世界中に価値を提供します」と述べ、グローバル展開の可能性を示唆した。コインベースのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)共同創業者兼CEO(最高経営責任者)も「この提携により仮想通貨がさらに利用しやすくなる」と述べている。
サムスンのWeb3戦略と今後の展望
サムスンは仮想通貨分野だけでなく、Web3領域全体にも積極的に投資を続けており、機関投資家向けのステーブルコイン発行インフラを開発するBastionプロジェクトなどへの出資を通じて、ブロックチェーン技術の活用を拡大している。
サムスンのハードウェアエコシステムとコインベースの専門性を組み合わせることで、利便性とセキュリティを両立した新しいデジタル体験を提供できるようになるとの見方が示されている。
Galaxyスマートフォンのアクティブユーザーは世界で10億人を超えるとされており、今回の連携強化は仮想通貨利用の拡大につながる可能性がある。スマートフォンが金融活動の中心となりつつある中、サムスンとコインベースの提携は、仮想通貨の一般化に向けた大きな一歩となる。