米国と英国が共同同盟を結成し、世界的な仮想通貨詐欺拠点の解体・取り締まりに乗り出す

米国と英国が共同同盟を結成して仮想通貨詐欺拠点の解体・取り締まりへ

米国と英国の両政府は、暗号資産やサイバー犯罪を悪用した投資詐欺ネットワークに対抗するため、法執行機関による共同同盟を立ち上げた

米国司法省、コロンビア特別区連邦検事局、CPS(イングランド・ウェールズ検察庁)、NCA(英国国家犯罪対策庁)が覚書を締結し、複数の管轄区域にまたがる捜査・訴追の包括的な枠組みが整備された。この枠組みのもと、両国は優先的な捜査対象や資金洗浄ルートなどの情報を共有し、重複する事件の並行捜査を進めていく構えだ。

さらに、活動拠点や被害者の所在に応じて適切な管轄国での訴追調整を行うほか、民間セクターとも連携し、10月初旬にはロンドンで対面式の共同摘発・妨害作戦を予定しているとのことだ。

急増する詐欺被害と巧妙化する手口

今回の強力な連携の背景には、暗号資産を悪用した投資詐欺による被害の深刻化がある。

FinCEN(金融犯罪取締ネットワーク)の分析では約130億ドル(約2兆円)規模の不審取引が確認されているほか、FBI(米国連邦捜査局)のデータによると米国における報告被害額は2023年の45億7,000万ドル(約7,127億円)から2025年には86億5,000万ドル(約1.35兆円)へと急増。英国でも2025年の被害額が前年比40%増の2億2,150万ポンド(約466.8億円)超に達している。

犯罪者はSNSやメッセージアプリを通じたロマンス詐欺やピッグ・ブッチャー(豚の屠殺=全財産を奪うロマンス詐欺)と呼ばれる手法で被害者との信頼を醸成し、架空の利益を表示する偽プラットフォームへと誘導する。

人身売買と中国組織犯罪へのアプローチ

米・英が着眼点を置くのは、東南アジアなどに大規模拠点を置く中国系組織犯罪グループだ。

これらの組織は「高収入求人」で集めた労働者を監禁・脅迫し、詐欺行為を強要する人身売買構造を組み込んでいる。2025年11月に発足した米国の詐欺拠点対策タスクフォースの知見を活かし、ウォレットや取引所の追跡を通じて資金源の無力化を狙う。

過去の作戦では、Coinbase(コインベース)やMeta(メタ)、Microsoft(マイクロソフト)などの民間企業も協力し、数百万ドル相当の暗号資産凍結やアカウント停止、サーバー遮断といった実績をあげている。

国際的な包囲網と各国の法整備

問題の長期化を受け、国際社会や各国政府による法制度の強化も進行している。

インターポール(IC3)主導の国際作戦では、数千人規模の容疑者拘束や数億ドルに上る不正資金の凍結が発表された。また、東南アジアの拠点国であるミャンマーでも、詐欺行為に終身刑や死刑などの厳罰を科す法案が議論されるなど、世界規模での法秩序の再構築が進められている。

 

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