イーサリアム次期「Hegotá」アップグレード、66案の検討を経て優先事項を絞り込み

イーサリアム次期Hegotá(ヘゴタ)アップグレードの優先事項を絞り込み

イーサリアム(Ethereum/ETH)の開発コミュニティは、2027年に予定されている次期大型ネットワーク・アップグレード「Hegotá」に向けた仕様策定を本格化させている。

日本語訳:
イーサリアムの来年のアップグレードであるHegotáは現在、スコープ設定中です。66の提案が提出されており、今後数回のコア開発者会議で、実装、開発ネット、テストネットが…

現在、66件におよぶイーサリアム改善提案8081(EIP)が検討テーブルに上がっており、開発チームは過剰な機能を盛り込んだハードフォークを避けつつ、ネットワークの機能拡張と安全性を両立させるための絞り込み作業を進めている。

決定済みの唯一の機能「FOCIL」と検閲耐性の強化

数多くの提案の中で、現時点でHegotáへの組み込みが正式に確定している唯一の機能が「FOCIL(Fork Choice enforced Inclusion Lists:フォーク選択強制型包含リスト / EIP-7805)」だ。

近年のイーサリアムではブロック構築の専門化が進み、大規模なブロックビルダーが特定のトランザクションを意図的に除外(検閲)するリスクが懸念されている。FOCILは、バリデータの委員会がトランザクションの包含リストを作成・公開し、構築者がそれを無視した場合にはブロック自体を拒否する仕組みだ。これにより、ネットワーク全体の検閲耐性が劇的に向上し、ユーザーが安全に取引を実行できる基盤が整えられる。

エコシステム内では、開発作業の焦点を以下の分野に絞り込むべきだという提案が支持を集めている。

・検閲耐性(FOCILの導入)
・スロット時間(ブロック生成間隔)の短縮による高速化
・ネイティブ・アカウント抽象化(Account Abstraction)の実現

レイヤー1(メインチェーン)自体のスケーリング

特にアカウント抽象化を巡っては、プログラム可能な構造を導入する「Frame Transactions(EIP-8141)」をはじめ、「Keyed Nonces(EIP-8250)」や「Recent Roots(EIP-8272)」といった関連提案が議論されている。

これらが採択されれば、鍵の運用柔軟化やガス代の肩代わり、プライバシー配慮型アプリのプロトコル層でのサポートなど、ウォレットの操作性が飛躍的に向上する見込みだ。

また、レイヤー1のスケーリングに関しても、ブロックサイズの肥大化を抑えつつ処理能力を高める各種ガス価格改定案(EIP-8131EIP-8279EIP-8368など)が提出されており、将来的な「6億ガス」時代を見据えたデータ構造の最適化が模索されている。

2027年リリースへ向けた確定までのロードマップ

Hegotáは、2026年第4四半期に予定されている「Glamsterdam(グラムステルダム)」アップグレードに続く、2027年の実装を目指している。

コア開発者らは8月下旬にかけて提案リストの整理をし、明確な推進役が存在しないアイデアを候補から排除していく方針だ。さらに、実行クライアントの開発チームは9月10日までに各提案の優先順位リストを提出することになっている。

8秒スロットの導入やアンチ・相関ペナルティ、耐量子計算機暗号(PQC)の採用など、多様な技術構想が議論されているものの、最終的にどのEIPが開発者テスト(devnet)へ移行するかは今後の会議で決定される。過剰な詰め込みを抑え、ユーザーやアプリケーションが真に恩恵を実感できる仕様に仕上げることが、今回のロードマップ策定の鍵となる。