イングランド銀行がデジタルポンドとステーブルコインのクロスボーダー決済テストに3社を選定
イングランド銀行(Bank of England)は、デジタル通貨技術の実証実験を行うDigital Pound Lab(デジタルポンド・ラボ)のフェーズ2を実施するにあたり、Polygon Labs(ポリゴン・ラボ)、NOBO Finance(ノーボ・ファイナンス)、Dun & Bradstreet(ダン・アンド・ブラッドストリート)の3社を選定したと発表した。
この実証実験では、民間発行のステーブルコインと将来的な中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルポンドが、国際貿易決済においていかに相互運用できるかを検証します。
中小企業が抱える貿易金融の課題解決へ
多くの国際取引を行う中小企業は、送金の遅れや複雑な手続きに伴う資金調達の制限という課題に直面しており、商品出荷から資金回収までに時間がかかることで、運転資金が圧迫されるケースも少なくない。
今回の実験では、この課題に対処するため2つの作業部会が設置される。
① 金融プロファイルの統合と標準化
NOBOが主導し、Dun & Bradstreetの信用リスクデータや取引履歴、オープンファイナンス情報を統合。Polygon Labsが提供するスマートコントラクト基盤により、信頼性の高い「再利用可能な金融アイデンティティ」を構築する。これにより、中小企業は複数の金融機関で円滑に融資手続きを行えるようになる。
② 異種デジタル通貨を組み合わせた決済フローマネジメント
電子船荷証券(eBL)を活用したファクタリング取引を想定。輸出業者がステーブルコインで資金調達(前払い)を行い、英国の輸入業者がシミュレーション上のデジタルポンドで決済を完了する仕組みを試行。民間ステーブルコインと中央銀行通貨を競合させるのではなく、同一の貿易フローで共存・補完させるモデルの有効性を探る。
英国で進む次世代金融インフラの規制・環境整備
なお、今回の実験はシミュレーション環境で行われており、実際の資金運用やデジタルポンドの正式発行を決定づけるものではない。しかし、英国では金融インフラの近代化に向けた規制や制度の整備が急速に進んでいる。
イングランド銀行は、システム上重要な英ポンド建てステーブルコインに関する規制案を提示しているほか、高額決済システム(CHAPS)などのほぼ24時間運用化や、ブロックチェーンを活用した「デジタル証券サンドボックス」の承認など、トークン化時代に対応する環境づくりを並行して推進している。この実証実験の成果は、次世代の効率的な国境間決済モデルの確立に向けた重要な知見となることが期待されている。
























