仮想通貨取引が減速するなか米証券事業を拡大
オンライン投資プラットフォームのeToro(イートロ)は2026年8月11日(火曜日)、米国のオンライン証券会社TradeZero(トレード・ゼロ)を最大2億3,100万ドル(約368億円)で買収する契約を締結したと発表した。
今回の買収は、米国での証券仲介事業を強化するとともに、仮想通貨への依存度を抑え、収益源を多様化する狙いがある。
TradeZeroの顧客基盤と証券インフラを取り込む
買収対価は現金と最大250万株の新規発行A種普通株で構成され、総額は最大2億3,100万ドルとなる。規制当局の承認や通常の完了条件を経て、取引は2027年前半に完了する見込みだ。
TradeZeroは2015年に設立され、米国を中心にカナダやその他の海外市場でアクティブトレーダー向けの証券サービスを提供している。株式やオプション取引のほか、取引時間延長、空売り向けツール、マーケットスキャナーなど、頻繁に取引を行う利用者向けの機能を備える。
同社は2026年6月30日までの12カ月間で約8,000万ドル(約127.45億円)の収益を上げ、粗利益率は81%だった。eToroは今回の買収により、TradeZeroが持つブローカーディーラーのインフラや独自技術、顧客基盤を取り込み、米国向けの新商品をより迅速に展開できるとしている。
eToroの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)であるヨニ・アシア(Yoni Assia)氏は、今回の発表について米国事業構築における重要な一歩と位置付けた。eToroは買収完了後、最初の通期で調整後1株当たり利益が増加することも見込んでいる。
仮想通貨取引は7月に前年比73%減、株式取引が業績を支える
買収発表と同時に公表された2026年第2四半期決算では、仮想通貨関連事業の減速が鮮明となった。
第2四半期の総収益は15億9,000万ドル(約2,533億円)となり、前年同期から減少した。仮想通貨関連の収益も前年同期の約19億ドル(約3,027億円)から13億4,000万ドル(約2,134.8億円)へ約30%減少した。一方、GAAP(米国会計基準)ベースの純利益は前年同期比77%増の約5,340万ドル(約85億円)となった。
株式、商品、通貨からの純取引収益は前年同期比24%増の約1億4,160万ドル(約225.6億円)となり、主に株式取引が業績をけん引した。資金提供口座数は18%増の428万件、AUM(運用資産総額)は192億ドル(約3兆円)に達している。
一方、7月の仮想通貨取引件数は約140万件と前年同期比73%減少し、1取引当たりの平均投資額も50%減の182ドル(約29,000円)となった。
eToroは仮想通貨関連事業への投資を続けているものの、今回のTradeZero買収によって米国の株式・オプション取引を強化し、市場環境に応じて複数の資産クラスから収益を得られる事業基盤の構築を進める。
























