グレースケール、Zcash連動のインカムETFをSEC申請 オプション収入で隔週分配へ

グレースケールによるZcash連動の高利回りETF申請をイメージした、ZECコインと金融チャートを描いたビジュアル

既存ZCSHのオプションを活用、ZECを直接保有しない新商品

グレースケール・ファンズ・トラスト(Grayscale Funds Trust)は2026年9月25日(金曜日)、ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)関連のオプションを活用して収益を生み出すアクティブ運用型商品「ZCSHハイインカムETF」の登録届出書をSEC(米国証券取引委員会)に提出した。

新ファンドはZECを直接保有せず、グレースケールが既に提供しているZcash ETF「ZCSH」に連動するオプションなどを利用する。オプションプレミアムを収益源とし、2週間ごとの分配を目指す。

短期コール売却で収益確保、価格上昇時は利益が限定される可能性

提出書類によると、ZCSHハイインカムETFはZECを保有せず、仮想通貨ウォレットの維持や秘密鍵の管理も行わない。代わりにZCSHを含むZcash上場投資商品に連動したオプションを利用し、純資産の少なくとも80%をこうしたオプションに投じる。

コールオプションの買いとプットオプションの売りを組み合わせてZCSHの値動きへのエクスポージャーを確保しながら、主に満期1カ月以下の短期コールオプションを売却し、プレミアム収入を得る。その収益を隔週の分配金に充てる仕組みだ。

一方、ZCSHの価格がオプションの権利行使価格を大幅に上回った場合、コールオプションの売却によって上昇分の一部を得られなくなる可能性がある。また、「High Income」という名称であっても固定利回りは保証されず、一部の分配が投資家自身の元本の一部返還に相当する可能性も提出書類に明記されている。

ティッカーや上場先、手数料体系、サブアドバイザーについては現時点で確定していない。

ZCSHの資産規模は10億ドル前後に拡大、既存保有分とZEC上昇も影響

今回の申請は、既存のZCSHの運用資産が急速に拡大する中で行われた。ZCSHはグレースケールが2017年に設立したZcashトラストから転換された商品で、転換前には約2億6,000万ドルの資産を保有していた。

9月18日までの週には運用資産が9億1,450万ドル(約1,439億円)に増加し、累積流入額は2億7,100万ドル(約426億円)となった。同週の流入額は9,820万ドル(約154.5億円)で、ソースでは市場にある仮想通貨ETFの中で最大だったとされている。

ただし、この資産増加すべてが新規資金流入によるものではない。旧グレースケールZcashトラストから引き継がれたZECの保有分に加え、ZEC価格の上昇もファンドの資産価値を押し上げた。

今回の商品は現時点では申請段階にあり、SECによる承認はまだ行われていない。登録届出書の内容も今後変更される可能性がある。