仮想通貨の差し押さえ強制執行が「技術的に困難」
13日、裁判所が仮想通貨口座の資金差し押さえ命令を出したが、仮想通貨交換業者が「技術的に困難」とし、強制執行が出来ない状態であることが分かった。
仮想通貨口座を強制的に差し押さえる仕組みは未だに整っておらず、専門家も「差し押さえ逃れや、資産隠蔽に悪用される恐れもある。対策が必要」と指摘。
差し押さえの申立人は70代女性。
代理人弁護士によると、2016年5月「転売すれば利益が出る」と勧誘され約50万円相当の仮想通貨を相場の30倍である1500万円で購入。
販売してきた業者とは代金返還で合意したが、その後支払いが停止し約1300万の未返済金が残った。
回収の為、業者の代表者名義のリップルが保有されているウォレット内の債権差し押さえを申し立てた。
さいたま地裁が2回に渡り命令を出したが、交換業者は「ウォレットは当社で管理していない。技術上、二重に支払ってしまう危険があり返還は出来ない」と主張した。
交換業者が代わりに被害金を支払った場合、業者側から回収出来ない可能性が高く損失を被る恐れがある、という理由だ。
同社は福岡財務支局から業務改善命令が下され、改正資金決済法に基づく仮想通貨交換業の登録申請を取り下げる方針となった。
GMOコイン、bitflyerは差し押さえに応じた事例も
GMOコインは約款に差し押さえの申立を受けた場合、サービス利用停止、強制解約が可能と明記しており、日本円に換金した後、指定口座に送金する手続きを行うという。
また、ビットフライヤーも差押命令を受けた事例があり、技術的には口座凍結は可能と説明。
仮想通貨・ブロックチェーンの複雑なシステムに手を焼く行政の姿が、今後多くなるでしょう。
未然にこのような問題を防ぐには、自己管理をしていく必要があります。
情報が錯そうしている仮想通貨市場ですが、当メディアでは詐欺コインや仮想通貨を使った詐欺事件についても記事にしていますので参考にしていただけると幸いです。