テザーゴールド「XAUT」がイスラム金融のシャリア認証を取得
ステーブルコイン最大手のテザー(Tether)社は、同社が発行する金担保型デジタル資産テザー・ゴールド(Tether Gold/XAUT)において、国際的なイスラム金融アドバイザリー機関Amanah Advisors(アマナ・アドバイザーズ)からシャリア(イスラム法)適合認証を取得したと発表した。
これにより、過度な投機や利払いを禁じるイスラム法の厳格な基準を満たした“ハラール(許容された)資産”として認められ、中東をはじめとする巨大なイスラム金融市場へのアクセスが本格化する。
シャリア認証を取得できた背景とトークン構造
イスラム金融では、利子(リバ)の受け取り、過度の不確実性(ガラール)、および投機的なデリバティブ取引が厳しく禁止されており、暗号資産の導入には常に慎重な議論が重ねられてきた。
今回の審査において、XAUTは以下の要件を満たしていることが実証された。
100%現物資産による直接裏付け:1トークンにつき、スイスの金庫に保管されたロンドン・グッド・デリバリー規格(※1)の純金1トロイオンス(約31.1グラム)の所有権を明確に付与。
高い透明性とトレーサビリティ:個々の金地金のシリアル番号、重量、純度等級が直接紐付けられて管理。
利息・レバレッジの完全排除:利回り獲得行為や過度なレバレッジ構造を排除し、純粋な現物資産の所有権移動に特化。
LBMA(ロンドン貴金属市場協会)が定める、金や銀の地金(インゴット)に関する世界最高水準の品質・信頼性基準のこと
これらの仕組みにより、実物資産を持たない単なる合成契約ではなく、健全な資産保全手段であることが証明された。
拡大する需要と多角的な市場展開
テザー社のパオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)CEO(最高経営責任者)は、金が歴史的に築いてきた「安定と信頼」をブロックチェーン技術と融合させることの意義を強調している。
この認証により、XAUTはハラール貯蓄、機関投資家のポートフォリオ、イスラム保険(タカフル)、貿易金融や担保付き融資など、多岐にわたる用途での活用が見込まれ、なかでも以下の要素が、XAUTの拡大を力強く後押ししている。
急成長する実物資産(RWA)市場:金担保型トークンの需要は急増しており、XAUTの資産規模も大きく拡大中。
中東の規制整備:ADGM(アブダビ・グローバル・マーケット)での承認済み現物商品としての認定など、中東における金融ハブでの基盤が着々と強化。
主要ターゲット地域:GCC(湾岸協力会議)加盟国をはじめ、南アジアやアフリカなど、金需要とデジタル金融の普及が急速に進む地域での普及が期待。
イスラム金融市場におけるWeb3の台頭
近年、ドバイのVARA(仮想資産規制当局)によるライセンス発行数の増加や、シャリア準拠のステーブルコインの誕生など、中東地域ではイスラム法に配慮したWeb3エコシステムが急速に形成されつつある。
今回の認証取得は、伝統的な資産保全の知恵と先進的なブロックチェーン技術を繋ぐ重要な節目であり、約3兆ドル(約491兆円)規模とも言われる巨大なイスラム金融市場において、XAUTの導入が一層進むと期待されている。























