Galaxy社、500万ドル規模のビットコイン量子セキュリティ・イニシアチブを開始

Galaxy社がビットコイン量子セキュリティ・イニシアチブを開始

デジタル資産大手のGalaxy(ギャラクシー)社は、将来的な量子コンピューティングの脅威からビットコインを保護するため、最大500万ドル(約7.5億円)を投じる「ビットコイン量子対応イニシアチブ」を立ち上げた

現在、ビットコイン(Bitcoin/BTC)の暗号基盤(楕円曲線暗号)を破れる量子機は存在せず、直近の危機ではない。しかし、研究の進展により脅威の実用化が現実味を帯びる中、対応の遅れはネットワーク運用に致命的なリスクをもたらす。

米・NISTが2024年にポスト量子暗号規格を策定し、米政府も2031年を対策期限に設定するなど、暗号移行は「将来の課題」から「現実のロードマップ」へと変化している。

分散型ネットワークゆえの改修の難しさ

ビットコインは中央管理者が存在しない分散型ガバナンスを採用しているため、標準のアップグレードであっても合意形成や検証に数年を要する。さらに、最先端のポスト量子暗号に精通した開発者は世界的に不足しており、急速に進歩する量子技術との間に大きな隔たりが存在していた。

長期的な堅牢性を前提に成り立つビットコインにとって、この技術ギャップの解消は投資家からの信頼維持に直結する。このプロジェクトは両領域の架け橋となり、不確実性を軽減することを目指している。

500万ドルの資金使途と強力な専門家陣

助成金は単なるプロトコル改良にとどまらず、エコシステム全体の移行を見据えて配分される。具体的には以下の領域が対象です。

・耐量子トランザクションや署名方式の開発
・ウォレット・カストディ(保管)業者向けの移行ツール構築
・セキュリティ監査および脆弱性検証

また、カルガリー大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)、ボストン大学の専門教授らで構成される量子諮問(しもん)委員会を設立。申請の審査や研究支援のほか、機関投資家や政策立案者向けに高度な分析レポートを発信していくという。

業界全体に広がる早期準備の波

量子リスクへのアプローチはコインベース(Coinbase)やストラテジー(Strategy、旧:MicroStrategy)、イーサリアム(Ethereum/ETH)などWeb3領域全体で加速している。しかし、慎重な合意形成を重んじるビットコインにおいては、他チェーン以上に早期の準備が欠かせない。

この取り組みは、単なる市場刺激策ではなく、機関投資家が重視する長期的なインフラ健全性を高めるための戦略的投資と言え、Galaxy社は他機関との連携も視野に入れており、業界全体で段階的な防御策を進めていく方針だ。

 

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