英国政府と歳入関税庁課税の抜本的な見直しへ
英国政府および歳入関税庁(HMRC)は、分散型金融(DeFi)の持続的な成長を背景に、従来の課税モデルを抜本的に見直す画期的な法案を発表した。
HMRC in the UK is adopting new tax legislation related to crypto lending and liquidity pools.
Main take is that deposits into lending protocols will be treated as ‘no gain, no loss’ (NGNL), which effectively defers capital gains tax until an economic disposal. Also underlying…
— Stani (@StaniKulechov) July 13, 2026
英国の HMRC は、暗号資産の貸付と流動性プールに関連する新しい税法を採用しています。主なポイントは、貸付プロトコルへの預金は「利益なし、損失なし」(NGNL)として扱われ、実質的に…
2027年4月6日より施行される新制度は、暗号資産の融資や流動性プールへの預入時におけるキャピタルゲイン税=CGTの課税を、最終的な売却時まで先送りする内容となっている。
これまでHMRCが採用していた2022年のガイドラインでは、ユーザーがDeFiプラットフォームや流動性プールにトークンを移動・預け入れた時点で「資産の譲渡=処分とみなされ、実際の現金化前であっても帳簿上のキャピタルゲイン税が発生するリスクがあった。この仕組みは通称「ドライタックス(※1)」として批判され、投資家や実務家に過度な事務負担を強いていた。
利益を確定していないにもかかわらず、その時点での「含み益」に対して課税されるペーパー税(含み益課税)のこと
今回の法改正により導入される“利益なし、損失なし(No Gain, No Loss = NGNL)”ルールでは、スマートコントラクトを介したトークンの移動を「税中立」な事象として分類。具体的には、以下の3つの取引において同一資産のやり取りが行われる場合、開始時および終了時に課税対象とはならない。
・単一の暗号資産を貸し出す場合
・暗号資産を借り入れる場合(担保として差し入れた資産も課税対象外)
・流動性プール(自動マーケットメーカー:AMM)にトークンを供給する場合
課税が発生する「経済的処分」の定義
:
新制度のもとで真に課税対象となるのは、資産が実質的に手放された「経済的処分」の瞬間に限定される。
これには、取引所での法定通貨への売却、他の暗号資産との交換、あるいは流動性プールから当初の預入額を上回る(または下回る)資産を引き出したタイミングなどが該当。現在の英国法におけるキャピタルゲイン税率は、納税者の所得水準に応じて18%〜24%が適用される。
一方で、DeFiの利用に伴う「雑所得」の扱いには注意が必要です。ステーキング報酬、マイニング収益、エアドロップ、利息、各種インセンティブ、報酬として受け取った暗号資産は所得とみなされ、受領した年に最大45%の所得税が課される仕組みは維持される。
厳格なデータ追跡と2027年施行への展望
この税制改革は、英国に在住する約70万人の個人投資家および受託者に影響を与えると試算されている。
HMRCは税務紛争を回避するため、厳格な取引追跡システムを並行して構築しています。英国が導入を表明しているOECD(経済協力開発機構)のCARF(暗号資産報告フレームワーク)に基づき、2027年からは各プラットフォームから取引履歴データが直接HMRCへ提供され、NGNLルールの適用対象かどうかが厳密に確認される仕組みだ。
DeFiレンディング大手Aave(アーベ)の創設者であるスタニ・クレチョフ(Stani Kulechov)氏は、この決定を“正しい方向性”と評価し、業界の声が政策に反映された好例であると称賛。施行までに1年以上の猶予があることから、ユーザーや各プロトコルには十分な準備期間が与えられる。
英国を世界的な暗号資産ハブとして位置づけたいFCA(金融行動監視機構)のビジョンとも合致する今回の緩和策は、市場の健全な成熟を後押しするものと期待されている。























