StripeとAdventがPayPalに530億ドルの買収提案

StripeとAdventがPayPalに買収提案

オンライン決済大手のStripe(ストライプ)と、プライベートエクイティ(PE)ファンドのAdvent International(アドベント・インターナショナル)が、PayPal Holdingsに対して共同での買収提案を行ったことが明らかになった。

提案額は1株あたり60.50ドル(益9,800円)で、総額は530億ドル(約8.59兆円、※500億ドルの銀行融資確約に基づく)に上り、これは直前の終値に対して28%のプレミアムを上乗せした水準だ。

また、この買収報道を受け、低迷していたPayPal(PYPL)の株価は一時16%以上も急騰し、市場の関心の高さを証明する形となった。

巨大フィンテック連合が狙う圧倒的なシナジー

非上場ながら推定評価額1,590億ドル(約25.8兆円)を誇るStripeと、老舗決済ブランドのPayPalが統合すれば、決済業界史上最大級の再編となる。

Stripeが強みとする加盟店向けの決済インフラや最先端の暗号資産・ステーブルコイン技術と、PayPalが抱える4億3,000万件以上の消費者アカウントや個人間送金アプリVenmo(ベンモ)が融合。これにより、BtoB(Business to Business:企業間取引)からBtoC(Business to Consumer:企業対消費者間取引)、さらにはデジタル資産決済までを網羅する、比類なき決済巨人が誕生することになる。

苦境に立つPayPalと新CEOの思惑

かつて市場を牽引したPayPalだが、近年はApple PayやGoogle Payといった競合の台頭に押され、パンデミック時のピークから時価総額が大幅に減少するなど成長鈍化に苦しんでいる。

今年(2026年)3月に就任したエンリケ・ロレス(Enrique Lores)CEO(最高経営責任者)は、チェックアウト、Venmo、決済・暗号資産の事業3部門に集約する大規模な組織再編やコスト削減を進め、経営再建を急いでいる最中だった。

市場アナリストからは、再建の途上にある同社にとって今回の買収額は安すぎるとして、現経営陣が提案を拒絶するのではないかとの懐疑的な見方も出ているのが現状だ。

規制当局による厳しい審査という最大の壁

両社は今月末までの協議進展を目指しているとされているが、取引の実現には高いハードルが存在する。

これほど大規模な決済ネットワーク同士の合併は、米国司法省(DOJ)や連邦取引委員会(FTC)、さらには欧州の独占禁止法当局から、市場の独占や競争阻害の観点で徹底的な調査を受けることが確実である。規制承認を巡る不確実性が、この巨大買収劇の行方を左右する最大の焦点となるだろう。

 

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