OneSpanがグローバル金融規制当局レポートを発表
株式公開のサイバーセキュリティテクノロジー企業のOneSpanは11月16日(火曜日)、グローバル金融規制当局レポートのリリースを発表した。
OneSpanによるグローバル金融規制当局レポートは、国ごとに検索可能で、役立つエグゼクティブサマリーを完備。「狂騒」と呼ぶにふさわしい1920年代のデジタルファイナンスにおける、A.I(人工知能)、仮想通貨の採用、データ保護、デジタルID標準に焦点を当てている。同レポートは、世界中の金融業者から収集されたデータを介して作成されており、OneSpanは、最大1,000億ドル(約11兆4,880億円)の資産を持つ172人の企業シニアバンキングリーダーを対象に、どの製品に取り組んでいるか、何に関心を持っているか、そして次に何が起こるかについての調査を発表している。グローバル規制および標準担当副社長のマイケル・マグラス(Michael Magrath)氏は、銀行のリーダーの85%が、コンプライアンスプラットフォームのプロバイダーだけでなく、絶えず変化する状況を乗り越えるのに役立つフルタイムのアドバイザーを探していると報告し、次のように語っている。
OneSpanでは、お客様への助言能力の観点から実際に取り組んでいます。世界の大手銀行はこれらのことを認識していますが、私たちの調査によると、資産が50億ドル未満の小規模銀行は、変化に追いつくのに苦労しています。
新時代のデータ保護
グローバル金融規制当局レポートによると、銀行の半数以上がサイバー攻撃の削減に課題を報告しており、企業のほぼ半数が機密データの保護と消費者プライバシー法への適応に高い関心を持っていることが判明した。
ほぼ半数の企業がID検証および生体認証ツールを開発しており、41%がリモートオンライン公証などの新しいテクノロジーに重点を置いており、OneSpanのスティーブン・ワース(Steven Worth)暫定社長兼CEO(最高経営責任者)は次のように語っている。
パンデミックに触媒されて、新しいデジタルバンキングの時代は、規制当局にほぼ不可能な課題を残しました。イノベーションを阻害することなく、広範で安全な規制の枠組みを作成することです。世界のシニアバンキングリーダーの半数が規制遵守のためにハードルにぶつかっており、グローバル金融規制レポートは、銀行と金融機関がコンプライアンスを遵守し、競争力を維持するために必要な情報を提供します。
多くが、銀行のトップになると、すぐに、仮想通貨やCBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)のような新テクノロジーに目を向けている。機関の84%がCBDCの準備をしており、英国のブリットコインなど、一部の国では採用に向けて明確なスケジュールが立てられている。さらに、67%は、仮想通貨の規制が仮想通貨関連製品の搭載に役立つか、市場への参加をより魅力的にするだろうと報告。変化はより速いペースで起こっているものの、同レポートは、米国の規制機関が世界の他地域と比較して遅い事を改めて再認識させている。
デジタル通貨で後れを取る米国
英国、ヨーロッパ、カナダ、ラテンアメリカがガイダンスを発表し、オープンバンキング、KYC(顧客確認)、さらには中央銀行のデジタル通貨に対する期待を更新したものの、米国は後れをとっている。
例えば…、銀行の60%は自国が今後2年間でCBDCを開発する準備ができていると考えており、41%の企業が、新タイプの通貨に備えてモバイルユーザーアカウントを保護するためのアプリケーションシールドに目を向けていることが判明した。これに対して米国は、規制当局はCBDC研究の2021年秋のリリース日を示唆しているのみである。規制に関する洞察の欠如は、より多くの問題を浮上させる事を意味する。全回答者のほぼ半数(48%)が、業界の規制準拠がデジタル変革中に障害を生み出したと報告した。
コロナパンデミックにより、米国の銀行は多くの業界と同様、デジタル化に向けて前進したが、カナダなどでは自主的なオープンバンキングの信託ネットワークを開発している。これ位に対して米国は、デジタルファイナンスの保護、プライバシー、フレームワークに対する同様の連邦の義務を採用していない。