コインベース(Coinbase)が中国のユーザー登録を簡素化で波紋が広がる

コインベースが中国ユーザーの登録を簡素化

米国暗号資産取引所大手のコインベース(Coinbase)が、中国本土のユーザーを対象にアカウントの登録手続きを大幅に簡素化したという報道が波紋を広げている。

日本語訳:
速報:Coinbaseが中国でのユーザー登録を開始 7月14日、複数のソーシャルメディアユーザーが、Coinbaseが中国でのユーザー登録を開始したと報告した。Wu BlockchainはCoinbaseのスタッフにこの変更を確認し、ユーザーは中国の国民IDと中国本土の住所を使用して認証を完了できるようになったと述べた。以前は、このプロセスには中国のパスポートと香港の住所が必要だった。

これを受けて投資家の間に楽観的な見方が広がり、同社の株価(COIN)は一時2%以上急騰して160ドル(約26,000円)を突破した。米国のインフレ鈍化(CPIの上昇抑制)に伴う暗号資産市場全体の復調も追い風となった形だ。

複数の報道やSNS上のユーザー報告によると、同社はこれまで中国本土の住民に求めていた「中国パスポートと香港の住所」という厳しいKYC(本人確認)要件を撤廃したとみられる。新たな手続きでは、中国のID(国民身分証明書)と本土の住所だけでアカウント認証が完了できるようになったとされている。

しかし、この変更には不可解な点も残されている。コインベースの公式ヘルプセンターやサポート文書には依然として「パスポートのみ対応」と記載されており、同社の国際広報責任者であるメアリー・ケイト・コリンズ(Mary-Kate Collins)氏も、中国本土での仕様変更について明確な言及を避けた。そのため、市場では「段階的な機能テストではないか」との見方や、「一時的なアクセス緩和にとどまる可能性がある」との慎重論も浮上している。

中国の仮想通貨禁止令と戦略的な賭け

中国政府は2021年9月、暗号資産取引を全面的に違法とし、海外取引所が本土住民にサービスを提供することも禁じており、その後もステーブルコインやトークン化、オフショアブローカーへの取り締まりを強化してきた。

こうした厳格な規制環境下で、米国の上場企業であるコインベースが中国市場へのアプローチを緩和することは、大きな政治的リスクを伴う。特に米中間の戦略的競争において暗号資産が関わる中、同社は公式発表をしないことで、いつでも撤回可能な「計算された賭け」に出ているとも解釈できる。

かつて世界のビットコイン(Bitcoin/BTC)マイニングの大部分を占めていた中国市場だけに、部分的な再参入であっても巨大な需要を生む可能性があるが、現地ユーザーにとっての法的リスクは依然として解消されていない。

激化する競争と今後の株価への影響

今回の好材料による一時的な株価急騰の一方で、コインベースは中長期的な課題にも直面している。

過去半年間で株価は約38%下落しており、6年間最高法務責任者を務めたポール・グレワル(Paul Grewal)氏の退任発表や、今月初めに独自のレイヤー2ブロックチェーンをローンチした競合ロビンフッド(Robinhood Chain)の台頭など、業界内のシェア争いは激化している。

今回のオンボーディング(※顧客受け入れ)の簡素化が、正式な中国市場への復帰を意味するわけではないが、世界的なユーザー獲得競争の中で、国際的な事業拡大を模索するコインベースの姿勢は投資家に評価された。マクロ経済の好転とともに、この新たな市場アプローチが同社の取引活性化にどう寄与するかが今後の焦点となる。

 

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