SpaceXとStarlinkのXアカウントがハッキングされ、ミームコインのラグプル詐欺で13万5000ドルが盗まれる

SpaceXとStarlinkのXアカウントがミームコインのラグプル詐欺で13万5000ドルが盗まれる

暗号資産市場で後を絶たない著名アカウントの乗っ取り詐欺が、ついに宇宙開発大手のSpaceXとその衛星通信サービスStarlink(スターリンク)にまでおよんだことが明らかになった。

ハッカー集団は両社の公式Xアカウントを不正に乗っ取り、サム・アルトマン(Samuel Altman)氏をモチーフにしたとみられる偽ミームコイン「SCATMAN」のプロモーションを展開。両アカウントから標的のコンテンツをリポスト(拡散)させることで、瞬時にプロジェクトへの信用を捏造(ねつぞう)した。

日本語訳:
ハッカーが$ SCATMANというトークンを発行し、@SpaceXAIと@Starlinkのアカウントをハッキングした後、それを宣伝しました。ハッカーはその後、SCATMANを10兆枚発行し、59ETH(10万8000ドル)で全て売り払いました。ハッカーが管理する別のウォレットも、5928万SCATMANを14.7ETH(2万7000ドル)で売却しました。合計で、ハッカーは約12万5000ドルの利益を得ました。
ハッカーのウォレットアドレス:
0xfee50d4ce48f2d05f520ce04c875647e4870a8ba 0xdd9f6d3e16ebda7f35cb694ceadb50af3eebba89

オンチェーン分析プラットフォームLookonchain(ルックオンチェーン)の調査によると、開発者を装った攻撃者は10兆個のSCATMANトークンを事前に発行。アカウントの悪用によってトークンの時価総額は一時200万ドル(約3.2億円)以上に急騰。ハッカーは直後に保有分をすべて市場に投げ売りするラグプル=出口詐欺を実行したことで、トークン価値はほぼゼロへと暴落した。

巧妙に分散された資金移動の足跡

ブロックチェーン上のデータを追跡した結果、ハッカーは盗み出した資金を主に2つの暗号資産ウォレットに分散して送金していたことが判明している。

メインウォレット: 投稿の直後に10兆トークンすべてを売却し、59 ETH(約10万8,000ドル相当)を獲得。
サブウォレット:同一犯と関連性の高い別のアドレスで、さらに5,928万個のSCATMANを14.7 ETH(約2万7,000ドル相当)で換金。

2つのアドレスによる不正利益は合計で約13万5,000ドル(約2,190万円)相当のイーサリアム(Ethereum/ETH)に上る。現在、SpaceXおよびStarlink側はアカウントの制御を取り戻しており、該当する偽の投稿やリポストはすべてタイムラインから削除されている。

常套手段化するインフルエンサー悪用の歴史

今回の事件は、近年の暗号資産業界で横行している「アカウント侵害→偽トークン発行→売り逃げ」という典型的な犯罪パターンを改めて浮き彫りにした。過去にも、影響力のある人物や組織が同様の被害に遭っている。

政治家・要人の被害: マレーシアのマハティール元首相のアカウントが乗っ取られた際は、170万ドルもの巨額の被害が発生した。
著名インフルエンサーの悪用:「Roaring Kitty(キース・ギル氏)」の休眠アカウントが侵害された事件では、ソラナ(Solana)系ミームコインの詐欺により、わずか30分で60万ドル以上が奪われている。
一般企業の巻き込み: 大手圧縮ソフト「WinRAR」の公式アカウントなど、暗号資産に直接関係のないブランドも標的となっている。

著名人の社会的信用を悪用して一時的に価格をつり上げ、クジラ=大口保有者やハッカーだけが利益を確定して個人投資家がすべての損失を背負う構造は、今後もプラットフォーム側のセキュリティ強化と投資家自身の警戒が不可欠であることを物語っている。

 

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