仮想通貨ICOの 規制と真実

ICOの規制と真実

運営の堀口
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情報社会である現代において広告であったり、人から聞いた情報であったりとICOに関して目にする機会が増えているかと思います。

そこで今回は国内外で多発しているICO(イニシャル・コイン・オファリング)について、現状の各国の規制を含む今後の問題点、改善策などをまとめました!!

ICO 各国の規制

ICOは既存のIPOなどと比べ、世界のどこからでも、誰でも参加することが出来る画期的な仮想通貨を使った資金調達として脚光を浴び、昨年6月のICOブームと呼ばれた頃から多くの事業化、投資家から注目を集めました。

しかし、明確なルールが存在しないICOには詐欺的なものも確かに存在し、中にはICOへの投資を成功させ大きな利益を享受した方もいる中で、無責任な情報操作による損益を被った投資家も多く存在します。

そこで野放しには出来ない世界各国の規制当局は仮想通貨への対応を含め、ICOに関しても国ごとに捉え方や規制への取り組みも実施していたり、検討段階にある国も増えてきました。

例えば、ICOを厳しく規制する国から発表されたICOが成功する可能性は限りなく低いでしょう。

数多く発表されているICOへの分析を行う際で、各国の規制状況は把握しておくべき重要なポイントです。

ICOを規制している or 準備している

  • 中国
    基本的には否定的。昨年9月に全面禁止を宣言してる。また全ての企業と個人に対し、実施済みのICOに関しても資産の返金を命じているほど極端な禁止。
  • 韓国
    公式にICOを禁止。
  • ロシア
    仮想通貨、ICOに関して厳しいアプローチをとっている。本格的な法律は3月までに定められる。
  • オーストラリア
    イノベーションと新たな金融ビジネスモデルの発展を奨励しつつも、既存の法律を絡めながらのガイドラインを作成中。
  • アメリカ
    市場の大きさ、ICOの成長の為、証券取引委員会(SEC)による厳しい規制の必要性が求められている。しかしTheDAO事件もあり他国と一線を画すのが、SECはICOにおける見解を米国法における証券と見なしている。全面禁止にはならないものの、SECの登録と認可が必要となる。

法律をもとに調整中

  • カナダ
    ICO証券取引法の適応となるという発表し、ICOを実施する事業者には検査を実施す。
  • ドイツ
    ICOにはリスクかあるとの警告を出すものの、規制はまだ定まってはいない。
  • シンガポール
    多くのICO事業者が他のアジア諸国の状況を見て、シンガポールを拠点に選んでいる。ガイダンスを発表することにより、独自のスタンスを発展させてきた。
  • EU(欧州連合)
    マネーロンダリング防止、KYC(身元確認)を実施する上でICO事業への許容はされているものの、EU証券市場局はICOは高リスクであると声明を出している。

ICOに対する警告を出している国

  • 日本
    投資家への警告を発しつつも、静観を続ける。金融庁も来るべき規制のため、国際的なトレンドを注視していると認めている。
  • マレーシア
    昨年9月に声明を発表し、投資家への警告。
  • 台湾
    昨年10月に声明を出しているが、前向きな姿勢であることが伺える。台湾政府は、ブロックチェーン技術、仮想通貨の発展を支持し、それらを合法的に扱う必要があると述べている。
  • イギリス
    ICOを許可しているものの、自主規制により既存のルールに従うことを望んでいる。

特例 ICOを推進

  • スイス
    健全なICOが行われる体制を作る為、プロジェクトを3つのカテゴリーに分類し、それぞれに適応される法律を定めました。なかでも有価証券として扱われるトークンに関しては、厳格な認可条件をクリアする必要があり、マネーロンダリング対策も既に織り込み済みです。
  • ベネズエラ
    世界で初めて、国家がICOを実施しました。詳細は後日、別記事でまとめますが、国の経済が破綻寸前まで追い込まれ、ハイパーインフレが起こった際の立て直し策として今後も途上国中心に追随する可能性があります。

 

香港当局は仮想通貨や ICOについて警告するキャンペーンを打ち出し、スローガンは「良く分からないものは買うな!」だそうです。

規制を取り巻く環境

各国の規制状況をまとめましたが、中でも注目したいのがアメリカ、スイス、ベネズエラ、日本です。

まずはアメリカ。

2016年『 TheDAO というICOで約150億円を調達したトークンがハッキングされ盗難される事件がありました。

TheDAO事件を受けて、アメリカでは認可のないICOを規制する動きが強まり、現在では証券取引委員会(SEC)の認可がないと実施出来ない段階です。

ちなみに現在、SECに認可されたICOは存在しません。厳しいですね。

次にスイス。

スイス経済監査機関がICOに関するガイドラインを作成しました

基本的には国家として法律に準拠されたICOへの支援をしていく方針です。規制対象はトークンの目的、トレードが可能であり、ICO時に配布されるかについて調査が行われます。

またこの調査基準を元にガイドラインが作成され、内容はトークンの種類を3つに分類。

  1. Payment ICOs
    決済手段として機能を果たすトークンを発行するもの。
  2. Utility ICOs
    何らかのアプリケーションやサービスの提供の為のトークンを発行するもの。
  3. Asset ICOs
    ①.②に該当しないICOによって発行されたトークンは”有価証券”として扱われる。これらのプロジェクトは厳格な認可要件をクリアする必要がある。
    これらの様にICOを国が審査機関として機能し、推進していく姿勢を見せている状況は、ICO版の企業誘致政策に近いものがあります。

次にベネズエラ。

こちらはつい先日、国家としては初のICOを実施し、1日で約6000億円の資金調達を行いました。

本来ならばICOに対し、厳格な規制を強化していく世界各国の動きに逆行する形でのICOは大きな話題を呼んでいます。ベネズエラといえば、ハイパーインフレなどで経済破綻寸前とも言える途上国。

このように国家主導のICOはトークンエコノミー化が進む世界経済として理に適ってこそいますが、問題点は国に対しての審査を行う第三者機関が存在しないこと。

現時点ではアメリカが違法なのではという警告さえ出してはいるものの、規制するのは不可能かも知れません。今後、世界的にも大きな出来事で、注視していく必要があります。

ベネズエラのICO「Petro」に関しましては、別記事にてまとめることにします。

国家初のICOであり、アメリカが潰しにかかるのか、他の破綻寸前の国が追随するのか、世界が変わり始めています。

ベネズエラ版ビットコイン「ペトロ」は新手の仮想通貨詐欺:https://t.co/J1ek5Ua8FH


最後に日本。

2017年4月に仮想通貨法(資金決済法)が制定され、世界で初めて仮想通貨を金融資産であることを認めた国となりました。

しかし、ICOに関しては投資家への警告のみで、目立った動きはありません。他国の規制状況を注視していることは認めていますが、法的規制は現状全くありません。

ICO 国内の情勢

先述の通り、日本はICOへの規制はありません。その為、ICOを実施する企業が多発。

詐欺的案件も数多く存在し、投資家の混乱を招いていることは事実です。

そこでICOへ投資を行う際の判断するべき要点をまとめていきます。

調達額

話題になるICO、それはつまり言ってしまえば裏にインフルエンサーやブロガーなどが存在します。

なぜなら宣伝に対して報酬が払われる仕組みがあるから。

記事が書かれているICOは概ね、販売リンクから購入されたトークンに対して報酬が発生します。紹介されたICOが売れれば売れるほど、紹介者は利益を受け取れます。

その為、どんなICOであろうとあたかも、良いことしか言いません。そしてそのようなICOは比較的、多額の資金調達を可能にしています。

例えば数百億の資金調達を実施したプロジェクトのトークンが取引所に上場した際、そのプロジェクト自体に魅力を感じている投資家の割合は極端に少ない為、付与された後、すぐに売られることが多いでしょう。

みんなが買ってるから買う、というのはICO云々の前に投資家としてナンセンスです。

ちなみに、ブログ記事などでICOを紹介しているインフルエンサー等は自らの資金で投資はしていません。これらを理解しているからでしょう。

プレセール

ICOとはそもそも、インターネット上でホワイトペーパーを開示し、プロジェクトをローンチし、仮想通貨で投資家を募ることです。

しかし、プレセールと呼ばれるICOを実施する前に比較的安価でトークンを購入出来ると投資家を募る方法がどのICOでも見受けられます。

過剰なボーナスや、何%オフという宣伝を行うICOに関してはプロジェクトの成功を度外視した企業の過度な資金調達を狙った販売促進活動の可能性が高い為、①と同様、将来的に無価値なトークンになってしまうことが考えられます。

①.②を踏まえた上で、再度伝えたいことは、ご自身で徹底的にリサーチし、投資するかの判断をすること。

なぜ今、ICOの投機熱が冷めやらぬか。それは仮想通貨市場の拡大によるものです。

資金調達によって集まった BTC.ETHなどが高騰し、潤沢な資金によって取引所への上場などは難しいことではありません。

投資家 = 株主 への価値の還元を最優先で考える企業に対してしか投資する価値はありません。

ICOの実体

先述の②の通り、2018年に入り、ICOは本来のイノベーションとかけ離れつつあります。

2018年現在、ICOで調達されたのは約2140億円ですが、このうち84%にあたる約1700億円はプレセールまたはプライペートセールによるもの。

つまり大半のICOは実施されるよりも前に、富裕層が買い占めてしまっているのです。

ICOでも情報の格差が生まれ、市場にも影響を及ぼします。昨年を上回る勢いで成長を続けるICO市場ですが、現行のままでは貧富の差がさらに拡大の一途を辿っていくでしょう。

『資金調達の民主化、コミニティの多様化』を目的として生まれたICOが本来の目的から逸脱していることが分かります。

現時点でやっておくべきは、それぞれのトークンの正しい価値を評価し、バブルが崩壊したときに本当に価値のあるものを購入する準備をしておくこと。

仮想通貨とブロックチェーン、そしてICOの狂乱に思うこと:https://t.co/1hUleuFX9U

投資家としてのICOとの向き合い方

これまで各国の規制や現状をお伝えしてきましたが、ICOへの規制等は資金調達においてであり、プロジェクトの将来性への担保は存在しません。

まず投資家としての考え方として見直すべきは、そのトークンが○○倍になる等の謳い文句は無視してください。

当たり前ですが誰にも分かりません。

そして見るべきはそのプロジェクトが、今後のトークンエコノミーの発展に寄与するのかどうか。

例えば日本国内で実施されているICOに関しても現状、全く法規制等ありませんが、捉え方次第ではいつどのタイミングで規制されるのか分かりません。

となはれば将来性のあるプロジェクトだとしても無価値の電子クズになってしまうかも知れませんよね。ICOを実施し、姿を消してしまうことも珍しくありません。

それだけICOへの投資はリスクが高いのです。

では、どうすれば失敗しないのか。。

それは、『取引所に上場してから買う』ことです。

基本的に取引所に上場すればまず間違いなく売られます。その後、将来的が見込まれる応援したいプロジェクトのトークンを安く買えばいいのです。

現状ほとんどがプレセールで買われているトークンをICOで買うことは投資家にとって非常に不利と言わざるを得ません。

回避するには、上場後に買う。これも一つの策略として使えるかも知れません。

運営が伝えたいこと

現状の国内では無責任なICOへの誘致が各地で行われています。

今買えば○○倍になる!等の謳い文句はまず、疑ってください。

市場価格がどれだけになるかは、誰にも分かりっこないのです。数百倍になるから買ったほうがいい!と無知な人からお金を集めるブローカーを私は断じて許しません。

それに騙されるのは自己責任としか言えませんが、投資をするなら最低限のことは学んでください。投資家のリテラシーが上がれば詐欺は減っていくはずです。

100倍確定!!とかアホかって感じです。

仮想通貨、ICOの健全な発展の為に、『Next money』からはこれからも真実をお伝えしていく所存です。