香港金融管理局、HSBCとスタンダードチャータードに初のステーブルコイン発行ライセンスを付与

香港金融管理局が2社に初のステーブルコイン発行ライセンスを付与

HKMA(香港金融管理局)は、HSBCとスタンダードチャータード主導の合弁会社に初のステーブルコイン発行ライセンスを付与した事がわかった。

HKMAは昨年(2025年)8月に施行されたHKMAの規則に基づき、2026年4月10日(金曜日)、香港初のステーブルコイン発行ライセンスを付与。有効となるライセンスは、HSBC(香港上海銀行)と、スタンダードチャータード(Standard Chartered)主導でアニモカ・ブランズ(Animoca Brands)と香港電信も参加する合弁会社アンカーポイント・フィナンシャル(Anchorpoint Financial)の2社に付与された。

この決定により、ライセンスを取得した企業は、決済、取引、デジタル資産サービス向けに香港ドルに裏付けられたステーブルコインを発行できるようになる。HKMAは、限定的な初期審査を経て初のライセンスを付与したと発表した。同局は既に、少数の企業のみが承認される見込みであることを示唆していた。ポール・チャン(Paul Chan)財政長官は2月に承認件数は限定的になると述べていた。

HSBCは、リップル傘下のデジタル資産カストディ会社であるMetaco(メタコ)とも提携している。なお、HKMAは今回の最初のライセンス発行に先立ち、36件の申請を審査したとのことだ。

HSBCとスタンダードチャータードを選んだ理由とその重要性

今回の2社へのライセンス付与選択は意図的であり、非常に象徴的な意味を持っており、HSBCとスタンダードチャータード銀行は、1846年に設立された香港ドル紙幣の発行を認可された3つの商業銀行のうちの2行である。

つまり、HKMAは物理的な通貨を管理するのと同じ機関に、デジタル通貨の供給を委ねることになる。この仕組みは香港で長年続いている。各紙幣発行銀行は為替基金に米ドルを預託し、その後、香港ドル紙幣を印刷する前に債務証書を受け取る。ステーブルコインの承認も、この銀行主導の伝統を踏襲している。

HKMAのエディ・ユー(Eddie Yue)総裁は、「香港におけるデジタル資産の発展にとって重要な節目」と表現。ライセンス取得者が個人と企業双方の「金融・経済活動における課題解決に貢献することを期待する」と述べた。

厳格なコンプライアンス規則が利用とアクセスを規定

新たなライセンスには、厳格な本人確認とコンプライアンス規則が伴い、HKMAのマネーロンダリング(資金洗浄)対策ガイドラインに基づき、認証済みのウォレットのみがライセンスを受けたステーブルコインを受け取れる。

送金を行う前にユーザーは本人確認を完了する必要があるほか、8,000香港ドル(約163,000円)を超える送金にはトラベルルールが適用される。これは約1,000米ドルに相当。実際には、発行者はスマートコントラクトによる制御とウォレットのホワイトリストを利用する可能性があり、この仕組みは、USDTやUSDCのような自由に譲渡可能なトークンとは異なる。

2社は2026年後半にステーブルコインを発行する予定で、クロスボーダー決済、国内決済、デジタル資産取引に重点が置かれるとのことだ。