急拡大する予測市場に対し取引の透明性とルール整備が焦点に
CFTC(米商品先物取引委員会)は、予測市場におけるインサイダー取引に対する取り締まりを強化する方針を示し、同分野への監視を強化している。
非公開情報の不正利用や市場操作への懸念が高まる中、既存の市場規制を適用する姿勢が明確に示されている。CFTCの執行部長デビッド・ミラー(David Miller)氏は、ニューヨーク大学での講演で予測市場のトレーダーに対し直接警告を発した。「インサイダー取引に関する憶測は承知している…注視している」と述べ、監視を強めている姿勢を示した。
さらに、予測市場ではインサイダー取引が適用されないという認識について「それは間違いだ」と明言した。イベント契約はギャンブルではなくスワップ取引として扱われるため、インサイダー取引法の対象となると説明している。
取り締まりは無差別ではなく選択的に行われる方針だ。ミラー氏は、不正に利用された情報に関わる重大事案を優先し、軽微な違反にリソースを割くことは避けると述べた。また監視対象はインサイダー取引に限らず、市場操作やマネーロンダリング(資金洗浄)対策の遵守にもおよぶ。
市場拡大でルール整備と監視圧力が強まる
予測市場は政治や地政学、スポーツなど幅広い分野に広がり、月間取引高は200億ドル(約3.2兆円)を超える規模に成長している。
一方で、機密情報の利用が疑われる取引が相次ぎ、市場の公正性に対する懸念が強まっている。
重要な政治イベントに先立つタイミングの良い取引や、公開前の情報をもとに40万ドル(約6,400万円)以上を得たとされる事例が指摘されており、議員や規制当局の関心が高まっている。こうした状況を受け、Kalshi(カルシ)やPolymarket(ポリマーケット)はインサイダー取引抑制に向けたルールを導入した。
米連邦議会では法整備も進んでいる。「金融予測市場における公共の誠実性に関する法案(2026年)」や「PREDICT法案」が提出され、非公開情報の利用や政府関係者の参加制限が議論されている。
さらにCFTCのマイケル・セリグ(Michael Selig)委員長は、明確なルールが整備されなければ予測市場がFTXのような崩壊に直面する可能性があると警告した。規制のない海外市場への移行は投資家保護の観点からリスクが高いとし、米国内での監督強化の必要性を強調している。
急成長する予測市場に対し、規制当局は監視と制度整備の両面から対応を進めている。今後はインサイダー取引規制の適用範囲や市場の位置付けを巡る議論が進み、ルールの明確化が市場の持続的成長に向けた焦点となる。
























