最新調査で10取引所が仮想通貨取引の90%を独占している事が判明

10取引所が仮想通貨取引の90%を独占

EU(欧州連合)の証券監視機関であるESMA(欧州証券市場監督局)による最新調査で、10の仮想通貨取引所が仮想通貨取引の90%を独占している事が判明した。

欧州証券規制当局が行った最近の調査によると、わずか10の取引所で全取引の約90%が処理されており、仮想通貨市場は非常に集中している事が浮き彫りとなった。ESMAによる最新調査では、仮想通貨取引環境における大幅な集中が明らかになり、市場の安定に対する潜在的な影響についての懸念が高まっている。「Crypto assets: Market structures and EU relevance(日本語訳:暗号資産:市場構造とEUとの関連性)」と題された研究によると、全取引の約90%を扱う仮想通貨取引所はわずか10社で、バイナンス(Binance)は「世界の取引量のほぼ半分」を占めているとのこと。

バイナンスに加えて、アップビット(UPbit)、OKX の社で市場シェアの 60% 以上を支配しており、バイビット(Bybit)の取引量は前年比+380%であったものの、コインベース(Coinbase)は同期間に44%減少したことが調査で示されている。ESMAは、このような集中には潜在的なリスクが伴うと警告し、より広範な仮想通貨エコシステムにおける主要資産の潜在的な影響や取引所の障害について重大な懸念を表明し、次のように語っている。

さらに、市場の流動性は大きく変動する可能性があり、最大規模の取引所では流動性が高くなる傾向があることがわかりました。


仮想通貨は市場ストレスに安全な逃避先として機能しない

欧州証券規制当局はまた、一般通念に反して、仮想通貨は市場ストレスの時期に常に安全な逃避先として機能しないと指摘し、仮想通貨は株式と「強い相互関係」があり、「金との安定した関係は見つかっていない」と述べている。

EUにおけるVASP(仮想資産サービスプロバイダー)ライセンスなどの規制努力にもかかわらず、今回の調査は、EU認可取引所で実行される取引のかなりの部分がEU域外で行われる可能性が高いことを示しており、仮想通貨市場の継続的な監視と規制の必要性を強調している。