透明性リスクに対応する独自チェーンが段階的に稼働開始
分散型永久取引所Aster DEXは3月17日、プライバシー機能を中核に据えたレイヤー1ブロックチェーン「Aster Chain」のメインネット第一段階を開始した。
As the lotus lives in water, where no trace will remain.
Leave nothing behind. Trade on Aster Chain. pic.twitter.com/GWe4iA7Uhx
— Aster 🥷 (@Aster_DEX) March 17, 2026
蓮が水中に生きるように、痕跡は一切残さない。何も残さない。アスターチェーンで取引しよう
これにより同プロジェクトは外部チェーンへの依存から離れ、自社基盤の運用へと移行した。今回のローンチは段階的に進められており、すでに「Chain Genesis」と呼ばれる初期フェーズが稼働している。
コアインフラやプライバシー設計、ブロックエクスプローラー、クロスチェーンブリッジが利用可能となっているほか、今後は提携発表やパブリックステーキング、開発者向けプログラムの展開が予定されている。
取引の可視化リスクに対応するプライバシー設計
Aster Chainは、従来のブロックチェーンにおける取引の完全な公開性が引き起こす課題に対応する設計を採用している。
一般的なチェーンでは注文やポジションが公開されるため、フロントランニングや清算攻撃などが発生しやすい。同チェーンでは、アカウントのプライバシー設定がデフォルトで有効となっており、すべての注文はゼロ知識証明を用いて暗号化される。取引は一度限りのステルスアドレスを経由して処理され、ウォレットと取引履歴の関連付けは外部から追跡できない構造となっている。
一方で取引はオンチェーン上で検証可能な状態を維持しており、ユーザーは「閲覧者パス」を発行することで特定の相手にのみ取引内容を開示できる。この仕組みはZKベースのプライバシーチェーンと同様の思想に基づくものとなっている。
高性能設計と市場競争の中での位置付け
Aster Chainは毎秒10万件のトランザクション処理能力と50ミリ秒のブロック生成時間を実現し、ガス手数料は無料とされている。
クロスチェーン入金はイーサリアム(Ethereum)、アービトラム(Arbitrum)、バイアンスチェーン(BNB Chain)、ソラナ(Solana)に対応している。
今回の発表を受けてASTERトークンは上昇し、一時0.79ドルを記録した。その後は0.74ドル前後で推移している。一方でプラットフォームの取引量はピーク時から減少しており、週間取引量は約766億ドル(約12兆円)から約180億ドル(約2.85兆円)まで縮小している。総資産額も20億ドル(約3,170億円)超から約9億4,900万ドル(約1,504.4億円)へと低下している。
競争環境ではハイパーリキッド(Hyperliquid)などのプロトコルが優位性を維持しており、市場シェアを巡る競争は続いている。Asterは一時的にシェアを伸ばしたが、現在は再びシェア争いの局面にある。レイヤー1への移行により、Asterは実行環境やパラメータの制御を自社で担う体制を整えた。加えて、デフォルトで組み込まれたプライバシー機能によりフロントランニングや清算攻撃の抑制を図る。
今後はステーキングの導入や開発者エコシステムの拡張を通じて利用拡大が見込まれる。段階的な展開の中で、プライバシー機能が今後の動向は不透明な状況にある。
























