Coinbase、ステーブルコイン基盤のBVNKを20億ドルで買収へ

Coinbaseがステーブルコイン決済プラットフォームBVNKを買収するイメージ。企業ロゴとブロックチェーンを象徴する未来的な背景。

ステーブルコイン決済強化を目的に交渉は最終段階へ

米・大手取引所Coinbase Global(コインベース・グローバル)は、ロンドン拠点のステーブルコイン決済プラットフォームBVNKの買収交渉を進めている

関係者によれば取引額は約20億ドル(約3,088.8億円)で、デューデリジェンスは進行中。完了時期は年内後半から2026年初頭の見込みで、条件は流動的だ。CoinbaseはBVNKに出資しており、Citi Ventures、Haun Ventures、Visaなども投資家として名を連ねる。BVNKはこれまでに9,000万ドル(約139億円)を調達し、企業向けに法定通貨と仮想通貨をつなぐ決済処理を提供している。

取引依存からの脱却ステーブルコイン事業を拡張する

Coinbaseは取引手数料への依存度を下げ、ステーブルコインを軸に決済領域を拡張している。

2025年第3四半期のステーブルコイン関連収益は2億4,600万ドル(約379.7億円)で、総収益の約20%を占めた。USDCの発行元であるCircle(サークル)との提携により準備金利息などの収益を得ており、USDCはShopifyなどの決済エコシステムにも統合されている。

買収が成立すれば、BVNKのマーチャントネットワークやコンプライアンス対応インフラを取り込み、国際決済での足場を強化できる。交渉は競争入札を経てCoinbaseが独占交渉権を確保したとされるが、同社とBVNKは個別の報道へのコメントを控えている。

規制明確化が後押し市場拡大とM&Aが進む

7月に成立した米国のステーブルコイン法(GENIUS法)は、担保要件とAML(マネーロンダリング法)順守を明確化し、機関投資家の利用に道を開いた。

アナリストは、この枠組み整備が決済各社の導入とM&Aを加速させていると指摘する。Visaは9月、ステーブルコインで直接越境送金を行うパイロットを開始した。

BVNKは2021年設立。企業が規制基準を満たしつつブロックチェーン上でデジタルドルを用いた資金移動を行えるようにする。買収が完了すれば、Coinbaseにとって上場以降の大型取引の一つとなり、ウォレットや送金、加盟店向けツールへのステーブルコイン統合を一段と進める布石になる。取引は確定していないが、年末までにデューデリジェンスを終える計画が示されている。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム