GENIUS法に基づき銀行によるステーブルコイン発行手続きを明確化
FDIC(米国連邦預金保険公社)は、国のステーブルコイン関連法であるGENIUS法に基づき、銀行が決済用ステーブルコインを発行するための新たな規則案を提示した。
今回の提案は、FDICの監督下にある銀行が子会社を通じてステーブルコインを発行する際の申請手続きを定めるもので、銀行による決済ステーブルコイン参入に向けた枠組みを具体化する内容となっている。
FDICが銀行向け申請制度の枠組みを提示
FDICは、銀行発行の決済用ステーブルコインにGENIUS法の枠組みを適用するため、新たな規則案を公表した。この規則では、FDICの監督下にある銀行が、子会社を通じて決済用ステーブルコインを発行する場合、事前にFDICへ申請し、承認を受けることが義務付けられる。
提案では、認可されたステーブルコイン発行者のみが米国で事業ができるとされており、FDICは適格子会社に対する主要な連邦規制当局として、申請の受理および審査を担う。申請プロセスには、評価基準や審査のタイムラインに加え、却下時の不服申し立て制度も組み込まれている。
FDICは申請を迅速に審査し、提出書類が審査に必要な要件を満たしているかどうかを30日以内に申請者へ通知する。その上で、要件を満たしていると判断された日から120日以内に、承認または却下の決定を下す必要がある。却下する場合は書面による説明が求められ、申請者は30日以内に異議を申し立てることができる。最終決定は60日以内に示される。
銀行の参入条件と今後の手続き
今回の規則案では、決済用ステーブルコインの発行を希望する銀行は、子会社を設立した上で申請を行う必要があることが明記された。
申請書には、発行予定の決済用ステーブルコインの内容に加え、子会社の財務状況、所有および支配構造、顧客契約や保管に関する方針など、詳細な情報の提出が求められる。FDICのトラビス・ヒル(Travis Hill)暫定委員長は、今回の規則案について、ステーブルコイン市場への参入を目指す銀行からの申請を、安全性と健全性の観点から徹底的に評価できるよう設計されていると説明した。また、これはGENIUS法を施行するための最初の措置であり、今後数カ月以内に、決済用ステーブルコインを発行する子会社に求められる管理基準について、追加の提案を行う予定だと述べている。
FDICは、この規則案について一般からの意見を募集しており、連邦官報への掲載後、一定期間のパブリックコメントを経て最終化される見通しだ。あわせて、デジタル資産やトークン化された預金に関連する活動についても、包括的な規制の明確化に取り組む方針を示している。
























