アメリカ金融業界最大手キャピタル・ワンがブロックチェーンベースの特許を申請

16日に「米特許商標庁(USPTO)」が公表した出願書類によると、米国銀行持株会社であるキャピタル・ワンは、ユーザー認証の際にブロックチェーン技術を実装するための特許申請を行った。

キャピタル・ワンは1988年に創立され米バージニア州を本拠としており、米国金融業界において最大規模を誇る米国銀行持株会社であり、現在は米国における預金残高の上位10社に選ばれるほどの大企業である。

キャピタル・ワンに関する書類によれば、この特許申請は昨年6月にキャピタル・ワンからUSPTOに対し提出されており、特許の受理に関しては現在も審理中である。今回特許申請されたシステムでは、ユーザー認証情報の保管や記録、受信や検索をブロックチェーンベースの複数の会員プラットフォームにおいて可能とするように設計されている。

今回のシステム使用の事例としてはKYC(KnowYour Customer)等の法定、規制要件に関する業務における認証等と説明しており、利用者の個人情報をブロックチェーン内に記録することにより、認証情報を利用し、データベースより認識情報の検索が可能となる。

KYC等の認証要件は「対応に時間がかかり、リソースの点で実施機関の負担になりかねない」と説明しており、以下のようにつけ加えた。

「最近利用者は、異なった期間に関連した複数のシステム間を移動する際、何度も認証作業を求められることがある。複数の機関の認証情報を相互に扱う共同認証システムを利用すれば、利用者と機関の双方がメリットを受けることができる。」

また書類によれば、本システムでは個人情報の共有は利用者、機関間のみとなっており、利用者や機関が「後から、認証記録の誤り等があるとして異議申し立て」防止のため、拒否ができない仕組みになっている。

2016年にキャピタル・ワンはロサンゼルスのブロックチェーン企業であるジェムと提携しており、医療従事者と保険会社間での支払いにかかる時間の問題解決に取り組んでいる。