アップビットがイーサリアム・レイヤー2「GIWA」を発表
韓国最大の取引所アップビット(Upbit)は、Optimism OP Stackを基盤とし、1秒のブロック生成時間とユーザーエクスペリエンスの最適化に重点を置いたイーサリアムがレイヤー2(※以下、L2と表記)ネットワークGIWA(Global Infrastructure for Web3 Access) チェーンをテストネットでリリースした。
これは、アップビットが仮想通貨取引所としての役割を超えて発展する動きとなる可能性がある。公開されている資料によると、GIWAの目標はWeb3インフラストラクチャーを「誰にとっても簡単で楽しいものにすること」だと述べている。独自ブロックチェーンを立ち上げた他の取引所には、2023年8月にBaseを立ち上げたコインベース(Coinbase)や、2019年にBNB チェーンを作成したバイナンス(Binance)などがある。注目点は、どちらも、開発者がそれぞれのL2ブロックチェーン上にアプリを構築できるようにしている点だ。
GIWAネットワークの特徴
GIWAネットワークは、1秒ブロック生成とEVM(Ethereum Virtual Machine:イーサリアム仮想マシン)互換性を特徴としている。
同時に、イーサリアムを活用したトランザクションのセキュリティ保護も実現。これにより、ネットワークは攻撃に対するセキュリティを確保しつつ、より高速なトランザクションを提供できる。なお、「GIWA」という名称は、韓国の伝統的な屋根瓦に由来しており、スケーラビリティを象徴している。
アップビットは、GIWAネットワークに加え、EVM対応の大規模ネットワークの一部をサポートするGiwaウォレットも発表し、さらに、開発者がチェーン上で開発を行うための支援として、英語と韓国語の完全なドキュメントを備えた開発者サンドボックスも開設する計画だ。
アップビットは韓国仮想通貨市場における主要取引所で、2024年には、CEX(中央集権型取引所)の取引量の73.4%を占め、1日あたり20億~40億ドル(2,948億円~5,894.6億円)の取引量を処理している。
GIWAメインネットの正式な立ち上げ時期は明言されていいないものの、GIWAのテストネットには開発ツールが組み込まれており、EVM互換のコントラクトの移行が可能だ。また、テストネットのアクティビティを追跡するブロックエクスプローラーも既に稼働している。