エルサルバドル、世界初の政府主導ビットコイン会議「Bitcoin Histórico」を開催へ

エルサルバドルの都市風景とビットコインを象徴する抽象的なイラスト

エルサルバドル、ビットコイン国家の地位をさらに強化

エルサルバドルは2025年11月12日から13日まで、首都サンサルバドルの歴史的中心部で世界初の政府主催ビットコイン会議「Bitcoin Histórico(ビットコイン・ヒストリコ)」を開催する。

主催は国立ビットコイン事務所で、本会議は金融の自由と文化の復興、通貨主権を掲げ、ビットコイン(Bitcoin/BTC)がもたらす社会的意義を国内外に示す場となる。「歴史における特別な瞬間の証」と位置づけられ、同国の仮想通貨政策をいっそう前進させる狙いである。

会議の全容と運営体制

会期中は歴史センター一帯を会議の拠点とし、ディスカッションやワークショップ、文化交流を展開する。

基調講演は国立宮殿に設けられ、ヘラルド・バリオス広場の巨大LEDスクリーンへ中継する計画である。国立図書館(BINAES)と国立劇場でも追加セッションを実施。チケットは販売中で、早期購入はビットコインでの決済が案内され、法定通貨対応は今月後半に予定される。価格は一般が350ドル(約52,000円)、Genesis Crown Passが2,100ドル(約31万円)となっている。

登壇者とプログラムの見どころ

登壇者には実業家リカルド・サリナス氏(Ricardo Salinas)、作家ジェフ・ブース(Jeff Booth)氏、マックス・カイザー(Max Keiser)氏とステイシー・ハーバート(Stacy Herbert)氏、Lightning Network(ライトニングネットワーク)開発者ジャック・マラーズ(Jack Mallers)氏に加え、ピエール・ロシャール(Pierre Rochard)氏、ジミー・ソング(Jimmy Song)氏、ダリン・ファインスタイン(Darin Feinstein)氏、リナ・セイシュ(Lina Seiche)氏らが名を連ねる。

議題は規制、インフラ、エネルギー利用、金融包摂など幅広い領域をカバーし、価格変動や教育の課題にも踏み込む構成である。

政策背景と市場環境

同時期に国内政治の枠組みが変化した。大統領任期は5年から6年へ延長され、従来の再選禁止が改められた。これによりビットコイン推進を掲げるナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領は再選し、政策継続の基盤を強化した。政府は6,220BTCの保有を公表し、日次での蓄積方針を示している。

ビットコイン相場と機関動向

会議の告知は相場の回復局面と重なった。BTCは10万9,000ドル台で取引を始める場面があり、その後の変動で一時調整したものの、機関動向は底堅い。

日本のメタプラネットは直近で1,009BTCを取得し、保有量は2万BTC超となった。米国のスポットETFには週4億4,000万ドルの資金が流入したとの報もあり、需要の厚みが示された。金融環境面ではFRBの利下げ期待が高まり、9月会合で25bp利下げの確率が87.6%に達したとの観測が広がる。金利低下への思惑はドル安とリスク選好を通じてBTCの追い風となり得る。

 

ABOUTこの記事をかいた人

2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム