インタラクティブ・ブローカーズ(Interactive Brokers)、ステーブルコインの発行を検討

インタラクティブ・ブローカーズがステーブルコインの発行を検討

インタラクティブ・ブローカーズ(Interactive Brokers)は、独自ステーブルコインの発行を検討している。

米国規制当局が仮想通貨業界への規制緩和を進め、仮想通貨への取り組みを強化する大手金融機関が相次ぐ中、インタラクティブ・ブローカーズは、独自ステーブルコインの発行を検討。個人投資家からプロのトレーダー、機関投資家まで、幅広い顧客層にサービスを提供する同社は、証券口座への24時間365日利用可能なステーブルコインによる資金調達や、人気のデジタル資産のより容易な送金機能の提供にも取り組んでいる。

ロイター通信とのインタビューで、創業者のトーマス・ピーターフィ(Thomas Peterffy)氏は、最終決定はしていないものの、顧客にステーブルコインを提供する方法を検討していると述べ、次のようにコメントしている。

仮想通貨の根本的な価値については、まだ不明な点が多い。しかし、十分な数の人々が仮想通貨を有用と判断し、価値を保有するのであれば、私はそれで構わない。たとえまだ完全に確信しているわけではないとしても。

なお、今回の発表により、トレーダーは同社の法定通貨にペッグされた仮想通貨を使って証券口座に資金を入金できるようになり、JPモルガン・チェースやシティグループなど、ステーブルコイン分野への参入を検討している複数の従来型金融機関に加わった。

取引が活発化しているインタラクティブ・ブローカーズ

時価総額約1,100億ドル(約16.3兆円)、顧客口座数387万口座を運用する同社は、すでにPaxos(パクソス)およびZero Hash(ゼロハッシュ)との提携を通じて仮想通貨取引を提供している。

同社は米国最大級のディスカウントブローカーの一つであり、同業他社と同様に、米国の貿易政策に関連した市場のボラティリティが顕著だったこの1年間で、取引が活発化している。今回発表された計画が実現すれば、同社は独自トークンを発行するか、他の発行者のステーブルコインで顧客口座に資金を入金できるようにするかの動きを取るだろう。

米ドルなどの法定通貨の価値を反映するステーブルコインは、従来の銀行のような遅延やコストをかけずに、国境を越えて資金を移動することを可能にする。世界市場で人気が高まっているが、銀行による監督体制が不十分なため、マネーロンダリング(資金洗浄)対策の審査を逃れようとする悪質な行為者にとって魅力的な存在になりかねないと、批判的な声も上がっている。

インタラクティブ・ブローカーズは2021年7月に仮想通貨取引を開始。当初は個人投資家を対象としていたが、その後まもなく、同社は米国の機関投資家にも仮想通貨取引を拡大。さらに、2024年には英国の顧客にもサービスを拡大し、個人投資家と機関投資家の両方が、同社が提供する従来の投資商品に加えて、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ライトコイン(Litecoin/LTC)、ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)を取引できるようになった。

 

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