欧州の少額決済で仮想通貨カードが銀行を上回る=ステーブルコインと仮想通貨カードが日常経済に浸透

欧州の少額決済で仮想通貨カードが銀行を上回る

欧州では、仮想通貨カードが日常的な買い物で銀行に匹敵する存在となっており、取引の約半数が12ドル未満で、ステーブルコインと仮想通貨カードが日常経済に浸透している事が判明した。

ステーブルコインと仮想通貨デビットカードは、進化を続けるヨーロッパの金融エコシステムにおいて大きな注目を集めており、最近のデータでは、インターネット決済と日常的な支出の両方で大幅な増加となっている。

ブロックチェーンインフラプロバイダーのAlchemy(アルケミー)が収集したデータによると、ステーブルコインは現在、オンチェーン取引量においてビザ(Visa)やマスターカード(Mastercard)などの従来のカードネットワークを約7%上回っている。世界で最も急速に成長している決済手段として確固たる地位を築いている。Alchemyのエンジニアリング責任者であるノアム・ハーウィッツ(Noam Hurwitz)氏は、「ステーブルコインは“爆発的な”普及を見せており、インターネットの決済手段としてのデフォルトになりつつある」と述べている。

爆発的普及の裏にはカードネットワークの課題が組み込まれている

こうした数字の裏には、ほぼ瞬時に国境を越えた送金が可能で、手数料はわずか1セント未満、24時間365日いつでも決済が可能なことがある。

従来のカードネットワークが依然として実現に苦労している機能であり、同氏は、その結果として、オンラインでの資金移動に決定的な変化がもたらされると主張。大手決済企業のペイパル(PayPal)、ストライプ(Stripe)、ビザはいずれも、コスト削減と決済高速化のためにステーブルコインの仕組みを組み込み、ブロックチェーンの複雑さを馴染みのあるユーザーインターフェースの背後に効果的に忍ばせている。

同氏は、アルケミーのAPIを活用することで、これらの企業はユーザーエクスペリエンスと基盤技術を切り離し、リアルタイムのファイナリティ=決済の確定性を実現できると解説している。

民間発行のトークンには非賛同の声も

ただし、民間発行のトークンが「お金」として機能できるという考えに誰もが賛同しているわけではない。

BIS(国際決済銀行)は2025年年次経済報告の中で、ステーブルコインは単一性、弾力性、完全性といった重要な基準を満たしていないと述べ、割引価格で取引されることもあった19世紀の紙幣に例えている。BISは代わりに、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)とトークン化された預金を、デジタル金融のより安全な基盤として支持している。

 

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