バンク・オブ・アメリカがステーブルコイン競争に参入か
米国最大級の投資銀行の一つであるバンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は、独自のステーブルコインの開発に取り組んでいると報じられている。
バンク・オブ・アメリカは独自ドルに完全に裏付けられたステーブルコインを開発中との報じられており、従来型金融機関における仮想通貨導入の潮流の変化を示唆している。フォーチュン500企業の約3割にあたる29%がデジタル通貨の導入を検討中と言われる中、同銀行もステーブルコインへの関心の高まりに加わっている。
従来の金融機関からかつてないほどの関心を集めているステーブルコイン
ここ数カ月、仮想通貨業界は金融や政府といった従来の金融機関からかつてないほどの関心を集めている。
その背景には、トランプ大統領がステーブルコインが世界のドル支配において重要な役割を果たす可能性を示唆した事が考えられる。同銀行がこのような計画を示唆するのは今回が初めてではなく、3月に同CEOは、バンク・オブ・アメリカにはステーブルコインを発行する以外に「選択肢はない」と述べているほか、その前月には、肯定的な発言をしたものの、それ以前はおおむね反対の立場を示していた。
ブライアン・モイニハン(Brian Moynihan)CEOは、以前の発言でその必然性を示唆していたことを受け、ステーブルコイン計画を認めている。先月、同社がJPモルガンをはじめとするパートナーとステーブルコインを発行するといううわさが浮上したものの、まだ実現には至っていない。また、この提携が実を結ぶ可能性はまだ残されているが、バンク・オブ・アメリカが単独でこの取り組みに取り組むことを決断した可能性もある。
この変化は、ステーブルコインが決済の効率化と金融セクターにおける取引コスト全体の削減をもたらす可能性が認識されつつあることを示している。このステーブルコインによって、バンク・オブ・アメリカはクロスボーダー決済、送金、その他の金融サービスを拡大するチャンスを得ることになるだろう。
ステーブルコインへの関心の高まり
ブロックチェーン技術の利点を活用しながら安定した価値を維持するよう設計されたステーブルコインは、近年急速に注目を集めている。
ステーブルコインの利用が拡大するにつれ、フォーチュン500企業のうち、ステーブルコインを検討または利用している企業の割合は劇的に増加しています。2024年には、これらの企業の29%がステーブルコインに関心を示しており、前年のわずか8%から増加。この関心の高まりは、処理時間の遅さや高額な手数料など、従来の決済システムに関連する課題を克服する必要性に大きく起因している。