イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がガス制限の33%引き上げを提案

ブテリン氏がイーサリアムガスリミット引き上げの提案

イーサリアム(Ethereum/ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、ネットワークのスループットと全体的なスケーラビリティを向上させるために、イーサリアムのガス制限を33%増の4,000万に引き上げることを提案した事が分かった。

同氏は、Reddit(レディット)のAMA(Ask Me Anything)セッションを主催していた際、ガス制限を現在の3,000万から4,000万に引き上げるという“控えめな”提案をしており、ほぼ3年ぶりのガス制限引き上げ案となる。これは、ブロックチェーン技術の根本的な問題であるネットワーク効率に対処することを目的としているため、今後のイーサリアムネットワークの全体的なパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があることから、高い関心が寄せられている。

イーサリアムのガス制限を理解する

ガスは、イーサリアムブロックチェーン上でアクションを実行するために必要な取引手数料として機能するものだ。

このガス制限は、各ブロックで実行されているすべてのトランザクションとスマートコントラクトに割り当てることができる最大ガスを表す。ガス制限を増やすと、本質的にイーサリアムチェーンのブロック搬送容量が増加する。この制限は、ネットワークのパフォーマンスや同期に悪影響を与える可能性のある過度に大きなブロックを防ぐために設けられており、ネットワーク内のスパムを減らす方法でもあるす。イーサリアムの創成期には、ガス制限は300万に設定されていたが、ネットワーク需要により10倍の3,000万に現在は増加している。

ガス制限が増加すると、ブロックごとにより多くのトランザクションに対応できるようになり、ネットワークの混雑が軽減され、ガス価格が下がる可能性がある。ただし、この提案は、特にネットワーク検証者にとって課題をもたらす。ガス制限が高くなると、バリデータに負担がかかる可能性があり、より堅牢なハードウェアが必要となることから、ネットワークのセキュリティやスパム、その他の形態の攻撃に対する脆弱性に関する懸念が生じる。

提案された増加は、イーサリアムコミュニティでスケーラビリティに関する進行中の議論を再燃することが予想される。利害関係者が潜在的な影響について検討する中で、この提案に関する決定がネットワークの軌道を形作ることは間違いない。イーサリアムのスケーラビリティと効率、そしてブロックチェーンエコシステム内でのより広範な役割に影響を与える鍵を握っている。