米国裁判所、OFACによるトルネードキャッシュへの制裁措置を復活させることはできないと判決

OFACによるトルネードキャッシュへの制裁措置復活はできないと判事が判決

米国連邦裁判所は、OFAC(米国財務省外国資産管理局)がトルネードキャッシュ(Tornado Cash)に制裁措置を再度課すことはできないとの判決を下した。

米国連邦裁判所は、仮想通貨ミキシングサービスを提供するトルネードキャッシュに対するOFACの制裁措置の再発動を永久に差し止めた。4月28日にオースティン連邦裁判所のロバート・ピットマン(Robert Pitman)判事が下したこの判決は、仮想通貨プライバシー保護ツールにとって大きな勝利でオープンソースの仮想通貨プロトコルがツールの使用方法に関して責任を問われるかどうかの判断において、重要な先例となる可能性がある。ピットマン判事はこの判決で、OFACによるトルネードキャッシュへの制裁措置は違法であり、OFACは制裁措置の執行を「永久に禁じられる」と述べた。

トルネードキャッシュvs.OFAC

この法的紛争は、2022年8月に米国財務省がトルネードキャッシュに対し制裁を発動したことから始まっている。

同プラットフォームは、北朝鮮のハッカー集団ラザルス(Lazarus)グループによる盗難仮想通貨のロンダリング(資金洗浄)を支援したと非難。トルネードキャッシュは、開発者は他者によるオープンソースコードの利用について責任を負うべきではないと主張した。裁判所の今判決は、この立場に賛同するものであり、仮想通貨業界全体にとって重要な前例となった。

OFACは2023年3月にトルネードキャッシュを制裁対象リストから削除したものの、同プラットフォームは名誉回復と過剰な政府による統制への異議申し立てを求めて裁判で争い続けていた。当初、下級裁判所は米国財務省の主張を支持したが、この判決は第5巡回区控訴裁判所によって覆される結果となった。

開発者とプライバシーツールの勝利

今回の判決は、トルネードキャッシュとオープンソース仮想通貨コミュニティ全体にとって大きな勝利だ。

今判決は、開発者が自身のコードが他者によってどのように使用されるかについて責任を負うべきではないという考えを強固なものにしており、世界中で規制圧力が高まっている仮想通貨分野におけるプライバシー重視のツールにとって重要な意味を持つ。

続くローマン・ストーム氏の法廷闘争

この法廷での勝利にもかかわらず、トルネードキャッシュの共同創設者であるローマン・ストーム氏は依然として深刻な法的課題に直面している。

2023年8月、彼はプラットフォームを通じて10億ドル(約1,447億円)を超える資金洗浄をしたとして起訴され、次回の審理は2025年7月に予定されており、トルネードキャッシュをめぐる法廷闘争はまだ終わっていないことを意味している。

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