10日、金融庁公式HPにて「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ」を公表した。
報告では以下の内容について触れられている。
- 検査・モニタリングで把握された実態
- 今後の監督上の対応
金融庁の調査によると、仮想通貨交換業者の会社規模が前年比平均553%に急拡大しているにも関わらず、多額のユーザー財産を極端に少ない職員で管理していることが明らかになった。
平均して、社員1名につき約33億円の取り扱いをしていることになる。
この急激な拡大によって、内部の管理態勢の整備が追いついていないことが指摘されている。
金融庁が懸念している要因は以下の通りだ。
ビジネス部門
- 取り扱う暗号資産(仮想通貨)のリスク評価をしていない
- 自社が発行する暗号資産の不適切な販売
- 内部管理態勢の整備が追いつかない中、積極的な広告宣伝を継続
リスク管理・コンプライアンス部門
- 法令等のミニマムスタンダードにも届いていない内部管理
- マネロン・テロ資金供与対策、分別管理ができていない
- 内部統制が機能していない
- セキュリティ人材の不足
- 利用者保護が図られていない
- 外部委託先の管理ができていない
内部監査
- 内部監査が実施されていない
- 内部監査計画を策定しているが、リスク評価に基づくものとなっていない
国内に置ける仮想通貨交換業者の、利益優先の経営姿勢や人材不足、利用者保護の意識の低さなど、多岐に渡って問題点が挙げられた。
金融庁の今後の対応について
登録業者に対しては、潜在的なリスクを明確化し頻繁に更新を行い、引き続き立入検査を継続するとのこと。
問題が認められた場合、必要な行政対応を執行する。
みなし業者には、業務改善命令を受け提出された報告内容について、今回のとりまとめを踏まえ登録の可否を判断するという。
新規登録申請業者には、ビジネスプランの聴取や内部管理態勢の調査、現場でのヒアリング強化を徹底。
新たに登録された業者に対し、早い段階での立入検査を実施する予定だ。
また、関係各所と連携し、対応を進めていくという。
市場のスピードに、日本の取引所の内部統制が追いついてない状況なのがわかりましたね。昨年から多くの問題も取引所関連では起きています。
使用するユーザー側のリテラシー向上もとても必要なことだと思っていますし、取引所を運営していく上でこの整備を整える期間は必要だと思っています。
現状、日本の取引所はあまり機能していませんが、今後の金融庁とのやりとり法改正で日本の仮想通貨市場がどのようになっていくのかが決まります。
他国にかなり遅れをとっている中で、メディアとして一人でも多くの人に有益な情報が届けらればと思っています。