急落の背景と市場の混乱
2025年4月1日、仮想通貨取引所Binance(バイナンス)でACT(Act I The AI Prophecy)をはじめとする複数のアルトコインが、突如50%以上の暴落を記録した。
価格は短時間で急落し、フラッシュクラッシュに似た現象が発生。銘柄によっては一時的に価格を戻す動きも見られた。ユーザーの間では困惑と憶測が広がり、SNS上でも多くの反応が見られた。
UTC10時30分頃、ACTを含む複数のアルトコインが急落。ACT/テザー(Tether/USDT)はわずか30分で49%以上、DEXEは23%以上、DFは16%以上下落した。他にもKAVA、HIPPO、LUMIA、TST、BANANAS31などが大幅に下落した。暗号資産ジャーナリストのコリン・ウー(Colin Wu)氏がこの異常な動きを最初に報じており、市場では即座に注目が集まった。
なぜ急落したのか?通貨ペアと流動性の影響
今回の異常値動きは、USDTやUSDコイン(USDCoin/USDC)建てを中心とした複数の通貨ペアで確認され、ACTをはじめとする一部アルトコインが短時間で大幅に下落した。
なかでもACT/USDCは、0.18ドル台から0.06ドル台前半まで下落し、日中安値は0.0672ドルを記録。その後も価格は低水準で推移しており、大きな回復の動きは見られていない。Crypto Basicは、こうした急落の背景に通貨ペアごとの流動性や売買戦略の違いが影響している可能性を指摘。一部のペアでは特に急激な価格変動がみられたという。
またCrypto Briefingは、この急落によって一部トレーダーのストップロスが発動し、想定外の損失が発生したと伝えている。一方で、一部のユーザーが暴落時に割安で注文を通し、利益を得るケースも確認された。
ウィンターミュート関与のうわさとレバレッジ制限の影響
X上では、著名トレーダーのBeniduboss(ベニドゥボス)氏が「Wintermute(ウィンターミュート)のボットが暴走した」との見方を投稿し話題を呼んだが、これに対しWintermuteのエフゲニー・ガエヴォイ(Evgeny Gaevoy)CEO(最高経営責任者)は「当社ではない」と否定している。
Not us fwiw, but also curious about that post mortem😅
— wishfulcynic 🌈 (@EvgenyGaevoy)
April 1, 2025
Wintermuteの関与が疑われたが、CEOは否定。また、a16zdaoの関係者が別の大口による売却の可能性を示唆するなど、憶測も相次いだ。さらに、BinanceがACTのレバレッジ制限を引き下げたことで、最大保有可能額が制限され、複数のマーケットメイカーのポジションが強制清算されたことで急落が加速した。
Binance updated leverage & margin tiers on tokens like $ACT — and a whale got liquidated for $3.79M at $0.1877.
Since then, the price of $ACT has plunged more than 50%.https://t.co/MT0EgNW8ib pic.twitter.com/CRuTR9bwSh
— Lookonchain (@lookonchain) April 1, 2025
元FTXのコミュニティパートナーであるベンソン・サン(Benson Sun)氏も、Binanceの制限変更によってポジション超過が生じ、これが直接的な暴落トリガーとなった可能性が高いと指摘している。
Around 18:30, multiple altcoins on Binance experienced sharp declines. ACT/USDT dropped over 49% within 30 minutes, DEXE/USDT fell more than 23%, and DF/USDT declined over 16% in the same period. The sudden dips were triggered by large sell orders executed in a short time frame,… pic.twitter.com/tdmPKMfR3l
— Wu Blockchain (@WuBlockchain) April 1, 2025
ユーザーの反応とBinanceの対応
この急落を受け、SNSでは「なぜ一部のペアだけが極端に暴落したのか」といった疑問や、「設定していたストップロスで強制損切りされた」といった不満が多数投稿された。
特に流動性の低いペアでのリスク管理が課題として浮上している。Binanceからは本件についての正式な発表はまだ出ていないが、過去の事例では内部調査後に一部注文の取り消しやAPIの調整が行われたケースもあり、今回も同様の対応が期待されている。
今回の一件は、仮想通貨取引における市場構造の脆弱性や、リスク管理の重要性を再認識させる出来事となった。