ゲームストップCEOがストライブCEOからビットコイン投資提案を受ける
ゲーム販売大手ゲームストップ(GameStop)のライアン・コーエン(Ryan Cohen)CEO(最高経営責任者)は、投資会社ストライブ(Strive Asset Management)のマット・コール(Matt Cole)CEOから、ビットコインを企業準備資産として採用するよう提案を受けたことを明らかにした。
コール氏は、ゲームストップのバランスシート上の50億ドル(約7,477.7億円)近くにのぼる現金を活用してビットコインを購入することを提案。この提案は、2025年2月24日(月曜日)にコーエンCEO宛てに送られた書簡を通じて正式に伝えられた。コール氏は、ビットコインがインフレヘッジとして機能し、長期的な価値の保存手段となることを強調。コール氏は書簡の中で次のように述べている。
ゲームストップは、ゲーム業界におけるトップのビットコイン財務会社になることで、財務上の将来を変革する素晴らしい機会を持っていると信じている。
一方、コーエン氏は、ストライブの提案を受け取ったことを認めたものの、現在のところゲームストップがビットコインを企業準備資産として採用する計画はないと述べた。コーエン氏は、企業の長期的な利益を最優先する姿勢を示し、慎重な検討が必要であることを強調した。また、ゲームストップは2024年第3四半期末時点で約50億ドルの現金を保有しており、この資金をどのように活用するかについて取締役会での議論が続いている。今提案は、企業財務における仮想通貨の活用が再び注目される中で行われ、業界全体に波紋を広げている。
ゲームストップの戦略と市場の反応
企業の準備資産としてのビットコイン導入は、金融業界や仮想通貨市場に大きな影響を与える可能性がある。
マイクロストラテジー(MicroStrategy)がビットコインを保有し続けていることからも分かるように、仮想通貨を企業資産として取り入れる動きは広がりつつある。しかし、その一方でビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格変動リスクや規制の不確実性が、企業の意思決定を難しくしている。ゲームストップのような大手企業がビットコインを採用するかどうかは、今後の市場動向や規制環境に大きく左右されるだろう。
ストライブの提案では、ゲームストップが他の仮想通貨には手を出さず、ビットコインのみに焦点を当てることが推奨されている。また、インフレによる価値減少のリスクがある現金よりも、ビットコインを企業準備資産として採用することの方が財務上のメリットがあると主張している。
さらに、ストライブの書簡によると、ゲームストップは市場での株式公開や転換社債証券の発行を通じてビットコインの購入資金を調達できる可能性がある。この手法により、企業は財務的な安定を確保しながらビットコインを蓄積できるとしている。
ゲームストップの将来とビットコインの可能性
ゲームストップのCEOがストライブCEOからのビットコイン投資提案を受けたことで、企業財務における仮想通貨の可能性が再び注目されている。
しかし、ゲームストップは現時点で慎重な姿勢を取り、市場環境や規制の変化を見極めた上で意思決定を行う構えだ。同社の取締役会は1月に投資方針を改訂し、コーエンCEOらに株式やその他資産への投資権限を拡大。ストライブは、ゲームストップがミーム株から脱却し、業界の市場リーダーへ成長するために、財務戦略の見直しを提案している。その一環として、小売店舗数の縮小や特定地域からの撤退を推奨している。
コーエンCEOは今月初め、マイクロストラテジーのマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏と共に写る写真を投稿し、ビットコイン導入を検討しているのではないかとの憶測が広まった。しかし、情報筋によると、セイラー氏はゲームストップの仮想通貨戦略には関与していないという。
— Ryan Cohen (@ryancohen) February 8, 2025
今後、規制や市場動向がこの動きにどのような影響を与えるかが注目される。他企業の対応や規制当局の方針次第で、ゲームストップの意思決定も大きく左右される可能性がある。