ムーンペイがMesoを買収
オンライン決済を手掛けるムーンペイ(MoonPay)は、国際決済機能の拡大を目指し、スタートアップ企業Meso(メソ)を非公開の取引で買収した。
ムーンペイは、規制されたグローバル決済ネットワークへの変革を加速させるため、従来の金融と仮想通貨の橋渡しを専門とするスタートアップ企業であるMesoを買収したことを発表。この買収により、同社の経営陣に経験豊富なリーダーシップが加わった。また、統一されたコンプライアンスフレームワークの下で銀行、カード、ステーブルコイン、ブロックチェーンを連携させるインフラが拡張された。
Mesoの共同創業者であるアリ・アガレザ(Ali Aghareza)氏とベン・ミルズ(Ben Mills)氏は、それぞれCTO(最高技術責任者)と製品担当シニアバイスプレジデントとしてムーンペイの経営陣に加わる。両氏はMesoを立ち上げる前、ブレインツリー(Braintree)、ペイパル(PayPal)、ベンモ(Venmo)にて勤務していた経歴を有する人物だ。
Meso買収はムーンペイによる統合決済ネットワーク構築の後押し
今回の買収は、包括的な規制枠組みの下、銀行、カードシステム、ステーブルコイン、ブロックチェーンを連携させる統合決済ネットワークを構築するというムーンペイの戦略を後押しするものである。
ムーンペイのイヴァン・ソト=ライト(Ivan Soto-Wright)CEO(最高経営責任者)は、あらゆる形態と市場で資金を移動させるためのグローバルインフラを構築していると述べている。2022年に設立されたMesoは、決済業界のベテランであるアリ・アガレザ氏とベン・ミルズ氏によって設立され、これまでの勤務経験を生かし、消費者および企業向け金融システムの拡張に携わってきた。
2019年に設立されたMoonPayは、法定通貨から仮想通貨へのランプを提供することで知られている。今回の買収により、ユーザーは主要決済手段でデジタル資産を売買でき、現在、同社は3,000万人以上の顧客と約500社のパートナー企業にサービスを提供しており、仮想通貨インフラの中核プロバイダーとしての地位を確立している。同社は2025年1月、ソラナ(Solana/SOL)を基盤とする決済プロセッサーHelioを1億7,500万ドル(約256億円)で買収している。
ブルームバーグの報道によると、同社は今年、ステーブルコインインフラ企業のIronとオンチェーン決済ツールのDecent.xyzも買収。ムーンペイは事業拡大に努めたものの、高い運用コストと予想を下回る利益率のため、6月に従業員数を10%削減している。
Mesoの買収により、ムーンペイの技術力が強化されるとともに、決済業界の経験豊富なベテランがチームに加わることになる。Mesoのセルフカストディと開発者フレンドリーなAPI統合に注力することで、ムーンペイは企業と消費者に、法定通貨とデジタル通貨の両方を取引するための、信頼できる単一の方法を提供することを目指している。