米国、香港とUAEにおけるイランの「シャドーバンキング」ネットワークを摘発

米国財務省がイランのシャドーバンキングネットワークを摘発

イランの金融業者2名と香港およびUAEアラブ首長国連邦の複数の人物が、イランの原油販売資金として1億ドル(約146.4億円)相当の仮想通貨の流通を促したとして、今週米国から制裁を受けた。

OFAC(米国財務省)が制裁を発動したのは、当NEXTMONEYの特集記事「イスラエル、イラン革命防衛隊との関連が疑われる187の仮想通貨ウォレットを押収」で報じた、イスラエルがIRGC(イランイスラム革命防衛隊)に関連する15億ドル(約2,197.5億円)相当のテザー(Tether/USDT)を特定した翌日のことだ。

アリレザ・デラクシャン(Alireza Derakhshan)氏とアラッシュ・エスタキ・アリヴァンド(Arash Estaki Alivand)氏は、原油販売の代金として数百万ドル相当の仮想通貨を購入し、香港とアラブ首長国連邦の企業による「シャドーバンキング」ネットワークを利用して制裁を回避し、イランに資金を提供したとして制裁を受けた。

実際、財務省は、この石油販売は「地域のテロリスト代理グループを支援する」とともに、イランによる「弾道ミサイルや無人航空機(UAV)を含む高度な兵器システムの開発を助長し、米軍と同盟国の安全保障を脅かす」と主張している。

これは、ドナルド・トランプ大統領の大統領令(国家安全保障に関する大統領覚書第2号として知られる)に基づく2度目の制裁であり、同大統領令は「イランに対する最大限の圧力キャンペーン」を求めていた。

数の制裁の対象となっているイラン

イランはこれまで複数の制裁の対象となっており、その報復として仮想通貨への依存を強められている。先月、英国、フランス、ドイツは、イランの核施設へのアクセスを促進するため、国連制裁を再発動した。

ブロックチェーン分析企業のエリプティック(Elliptic)は以前、Nobitex仮想通貨取引所をイラン革命防衛隊と関連付け、「国境を越えた制裁回避装置」の一部だと説明。Nobitexは6月に親イスラエル派ハッカーによってハッキングされ、9,000万ドル(約131.8億円)が盗まれた。

米国は先週金曜日、イランのドローン計画に関連して58万4,000ドル(約8,570万円)相当のUSDTを凍結したほか、イラン革命防衛隊に関連する3億3,200万ドル(約486.4億円)相当の仮想通貨を受け取った仮想通貨アドレスにも制裁を科している。

イスラエル、イラン革命防衛隊との関連が疑われる187の仮想通貨ウォレットを押収

2025.09.17

 

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