イスラエル、イラン革命防衛隊との関連が疑われる187の仮想通貨ウォレットを押収

イスラエルがイラン革命防衛隊関連が疑われる仮想通貨ウォレットを押収

イスラエル国防省は、IRGC(イランイスラム革命防衛隊)関連の187の仮想通貨ウォレットを押収した。

イスラエル国防省は、IRGCとの関連が疑われる187の仮想通貨ウォレットの押収を命じ、押収。これらのウォレットには15億ドル(約2,197.5億円)のUSDT(テザー:Tether)資金が振り込まれていたと報じられている。当局は、一部のウォレットは多くの顧客に代わって資産をプールする仮想通貨サービスプロバイダーの所有物の可能性があるため、すべての資金がIRGCに直接結び付けられるわけではないと指摘した。

IGRCは、1979年の革命後にイラン・イスラム共和国の体制と統一を守るために設立されたイランの軍事・治安組織で、米国、EU(欧州連合)、イスラエルをはじめとする各国からテロ組織に指定されており、同省は次のように述べている。

ここに、記載されているとおり、ウォレット内で発見された、または発見される可能性のある財産およびその他の仮想資産の押収を命じ、法律第66条の規定に従って没収する。

公開された文書を受け、ブロックチェーン監視企業Ellipticは、187個のウォレットに合計どれだけの資産が保管されているか、また追跡可能かどうかを確認するため、ウォレットを調査。その結果、リストされている187個のウォレットのうち、約39個が2025年9月13日以降、テザー(Tether)社によって「ブラックリスト」に登録されたものであった。

15億ドル相当のウォレットが凍結

行政差押命令43/25として発令されたこの命令は、反テロ法第56条(b)に基づき発令されたもので、これらのウォレットはIRGCの資産、またはテロ活動を支援するために利用される資産として特定された。

この命令により、現在の残高と将来の入金の両方が凍結され、フラグが付けられたアドレスとやり取りする企業や個人は、イスラエル当局に報告することが義務付けられている。この命令は覆されない限り2年間有効で、異議申し立ては2カ月以内にNBCTF(National Bureau for Counter Terror Financing of Israel:イスラエル国防省国家テロ資金対策局)


テザーとエリプティックが介入

ステーブルコイン発行会社のテザーは、2025年9月13日(土曜日)にリストに掲載されているウォレットのうち39を凍結し、約150万ドル相当の資産を凍結したことを確認した。

ブロックチェーン分析企業のエリプティック(Elliptic)は、15億ドルの資金のうち、これらのウォレットに残っているのはごくわずかで、具体的には約150万ドル(約2.2億円)のUSDTしか残っていないことを明らかにした。また、同社も187のアドレスを自社の監視システムに統合し、機関投資家がIRGC関連の資金フローを監視・防止できるようにしたと発表。同社によると、これらのウォレットは現在、USDTでの取引が送受信できない状態にあるという。

IRGCの仮想通貨活動に対する米国と世界の措置

今回の命令は、IRGC関連のデジタル資産を標的とした一連の国際的措置に続くものである。

9月12日(金曜日)、DOJ(米国司法省)はイラン国籍のモハメド・アベディニ(Mohammad Abedini)氏から58万4,741ドル(約8,570万円)相当のUSDTを押収したと発表。当局は、アベディニ氏がIRGCの軍用ドローンプログラムにナビゲーションシステムを供給していたと主張している。

2024年12月、米国財務省は、サイード・アフマド・ムハンマド・アル・ジャマル(Sa’id Ahmad Muhammad al-Jamal)氏に関連する3億3,200万ドル(約486.4億円)相当のUSDTを受け取ったアドレスを制裁対象とした。同氏は、IRGC-コッズ部隊(※海外での特殊作戦を担う部隊)の支援を受けて、イエメンのフーシ派に数百万ドルを送金したとして告発されていた。

2025年6月、親イスラエル派グループがイランの仮想通貨取引所Nobitexから9,000万ドル(約131.8億円)以上を盗んだ。ブロックチェーン研究者は、ランサムウェアや重要インフラへの攻撃で告発された制裁対象工作員がNobitexを利用していたことを理由に、NobitexとIRGCを関連付けた。

Ellipticは、制裁対象グループが国際金融市場にアクセスするのを防ぐには、規制当局と民間企業の協力が不可欠であると指摘している。

 

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