SECがジェミニの調査を終了
SEC(米国証券取引委員会)は、仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)に対する調査を正式に終了し、法的措置を取らないと発表した。
On Monday, the SEC informed our litigation counsel @JackBaughman27 that it has closed its investigation into @Gemini and will not be pursuing an enforcement action against us. This comes 699 days after the start of their investigation and 277 days after they sent us a Wells… pic.twitter.com/dTjg9CJXVl
— Cameron Winklevoss (@cameron) February 26, 2025
月曜日、SECは当社の訴訟顧問に対し、Geminiに関する調査を終了し、当社に対する強制措置を講じないことを通知しました。これは、SECの調査開始から699日後、当社にウェルズ通知が送付されてから277日後のことです。
これは…
SECは2023年にジェミニの「Earn(アーン)」プログラムが未登録証券の提供に該当する可能性があるとして調査を開始したが、最終的に処罰なしで終結。この決定は、仮想通貨業界の規制方針における重要な転換点となる可能性がある。
SECはここ数年、仮想通貨業界に対して厳しい規制を行ってきたが、最近ではその方針が変化しつつある。ジェミニの調査終了に続き、OpenSea、Robinhood(ロビンフッド)、Uniswap(ユニスワップ)などに対する調査も相次いで終了しており、SECの規制アプローチが軟化している兆候が見られる。
SECによる規制強化が適切であったかどうかは依然として議論の対象となっているが、今回の決定は今後の仮想通貨業界における規制の方向性を左右する可能性が高い。
ジェミニの反応と業界への影響
ジェミニの共同創業者兼社長であるキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏は、SECの決定を歓迎しつつも、「すでに業界には甚大な損害が発生している」と指摘し、たうえで、次のように批判している。
SECは訴訟費用だけで数千万ドル、さらにイノベーションの停滞によって業界全体に数億ドルの影響を及ぼした。業界を脅迫し、攻撃したにもかかわらず、責任を負うことなく手を引いた。
SECは2025年2月26日(水曜日)、ジェミニの訴訟弁護士に正式な通知をし、執行措置を取らないことを伝えており、この決定を受けて、業界内では規制緩和の兆候と捉える声が広がっている。
SECの規制緩和はどこへ向かうのか
SECはコインベース(Coinbase)に対する訴訟も終了しており、これまでの取り締まり強化の方針が見直されつつあることが分かる。
特に、これまで標的とされていた大手取引所に対する調査が次々と終結している点からも、規制のアプローチが軟化していることがうかがえる。この件についてキャメロン氏は、「SECの過去の規制強化はアメリカの経済成長を阻害した」と述べ、今後はより思慮深い立法措置が求められると強調している。
市場と投資家への影響
SECの一連の決定は、仮想通貨市場に広範な影響を与える可能性がある。
ジェミニに対する調査が終了したことで、市場は一時的に安心感を得る一方で、今後の規制の方向性が未確定であることへの不安も残る。特に、SEC前議長ゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏が2025年1月20日に正午をもって退任したことで、仮想通貨業界に対する政策の大幅な見直しが期待されている。同氏の在任期間中、SECは100件を超える規制措置を講じ、仮想通貨業界への厳格な監視を維持してきた。しかし、新たな指導体制の下では、業界にとってより建設的な規制環境が構築される可能性がある。
規制と業界の今後
キャメロン氏は、「規制の見直しと共に、過去に誤った規制措置を主導した関係者に対しても適切な対応が必要だ」と述べ、SEC関係者の責任を追及し、影響を受けた企業への補償を求めている。
SECのジェミニに対する調査終了は、仮想通貨業界全体の規制環境に大きな変化をもたらす可能性がある。規制強化が一段落しつつあるものの、すでに発生した損害への対応や、今後の規制方針の明確化が求められる。今後の市場の動向を左右するのは、新たな規制枠組みがどのように策定され、SECがどのように仮想通貨業界と向き合うかにかかっている。これからの業界の発展において、適切な規制と市場の安定がどのように両立するのかが、引き続き注目される課題となるだろう。