XRP Ledger(XRPL)のネットワーク障害でブロック生成が1時間停止

XRP Ledgerのネットワーク障害を象徴するバナー画像。ブロックチェーンのグリッチ効果とXRPロゴが特徴的なデザイン。

XRP Ledgerのネットワーク障害でブロック生成が1時間停止

2025年2月4日(火曜日)、XRP Ledger(XRPL)でネットワーク障害が発生し、約1時間にわたりブロック生成が停止した。

この異例の事態は、仮想通貨市場に波紋を広げ、リップル(Ripple/XRP)価格と投資家心理に影響を与えた。障害はブロック高93927174で発生し、ネットワークアクティビティが64分間停止。2月4日午前10時58分UTC(※日本時間の同日19:58)に解決され、通常の運用が再開され、XRPLデビッド・シュワルツ(David Schwart)CTO(最高技術責任者)は以下のように説明している。

コンセンサスは実行されていたが、検証が公開されずネットワークが分断された

原因は一部バリデータ間で発生したコンセンサス不一致とされているが、同CTOは、具体的な原因は調査中と述べており、特定ノードの同期エラーがネットワーク全体の検証プロセスに影響を与えた可能性が示唆されている。修復にあたり、手動介入による復旧が行われ、資産やトランザクションの損失はなかったと報告されている。

市場への影響と投資家の反応

障害直後、XRPの価格は約4%下落し、約88,000件の取引に影響を与えたほか、アクティブアドレス数も減少し、市場参加者の不安が広がったものの、ネットワーク回復後は価格が安定し、取引量も徐々に回復している。

リップル社の開発部門であるRippleXは、公式声明で次のように発表している。

顧客の資金は安全であり、今回の障害はネットワークの堅牢性をテストする機会となった

なお、今後の再発防止策としてソフトウェアアップデートの計画も進められている。

XRPの価格動向とテクニカル指標

XRPのCMF(チャイキン・マネー・フロー)(※1)はプラス圏を維持しているが、0.26から0.19に低下し、買い圧力の弱まりを示している。

また、2024年12月のピークからアクティブアドレス数は約50%減少しており、投資家の関心低下が懸念されるほか、EMAライン(※2)の動きには弱気シグナルが示唆されており、買い圧力が不十分な場合には主要な抵抗ゾーンを突破するのが難しい状況となる可能性がある。この状況下では、XRPがより低いサポートレベルをテストするリスクも考えられる。

CMFは現在0.19付近で安定しており、一時的に-0.22まで下落した後に急回復しており、これは買い手の価格支援を示しているが、最近の高値を下回ることで強気の勢いが弱まっている。また、資本流入はプラスを維持しているものの、減速傾向にある。

ネットワークの進化と今後の課題

XRPL Foundation(XRPL財団)は、ネットワーク分散化を強化するためバリデータ数を見直し、現在は35のバリデータで80%のクォーラムしきい値を維持している。

また、XLS-33提案によるMPT(多目的トークン)の導入も進行中で、シームレスな取引やNFT、証券取引の統合が期待されている。2024年第4四半期には、XRPLのDEX取引量が10億ドル(約1,528.5億円)を超え、AMM(自動マーケットメイカー)スワップがその77%を占めるなど、ネットワークの成長が報告されている。

障害発生中、XRPの取引量は通常の半分以下に減少し、完全な回復には数時間を要しており、この影響から、短期的な価格変動だけでなく、ネットワーク信頼性に対する市場の懸念も強まっている。XRP価格は0.15を下回ると弱気傾向が強まる可能性がある一方、0.25を超える回復が確認されれば再び強気の動きが期待できる。投資家はネットワークの安定性と市場動向を注視する必要がある。

(※1)CMF(Chaikin Money Flow:チャイキン・マネー・フロー)とは…
一定期間にわたるマネーフローボリューム(出来高)を測定するために用いられるテクニカル分析インジケーターの事。

(※2)EMA(Exponential Moving Average)指数平滑移動平均線とは…
加重移動平均線よりも、さらに直近の価格の比重を高めてタイムラグを低減させたもので、個々の価格データへの加重を「指数関数的(exponential)」に減少させて、平均値を計算するテクニカル指標の事。

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム