FBIが仮想通貨を含む違法金融取引への監視強化を発表

FBIが仮想通貨などの違法金融取引監視強化へ

FBI(Federal Bureau of Investigation=米国連邦捜査局)は、VAXU (Virtual Asset Exploitation Unit=仮想資産搾取ユニット)の設立を発表し、仮想通貨を含む違法な金融取引への監視強化にあたる事がわかった。

仮想通貨は今ではますます受け入れられている金融交換の形態になっているものの、サイバー犯罪者にとっても好まれる支払い方法になっていることがわかっている。犯罪活動を促進するための仮想通貨使用を阻止するため、FBIによってVAXUが設立され、さまざまな調査、技術、分析によって仮想通貨の不正使用を追跡・押収を支援していくとのこと。

DOJ(United States Department of Justice=米国司法省)の発表によると、NCET(Cryptocurrency Enforcement Team=国家仮想通貨執行チーム、)の初代所長としてベテラン連邦検察官ウン・ヨンチェ(EunYoungChoi)氏が任命された直後に発表されている。

増え続ける仮想通貨採用と犯罪

過去、法執行機関が違法な仮想通貨使用を追跡するのは困難だと証明されていたが、VAXUの設立は、この問題に対処・軽減に活躍が期待されている。

一方で、DOJとFBIの両方が、使用の報告に依存する民間企業とのパートナーシップを強化するため、仮想通貨に関連する犯罪活動に取り組む必要がある。合法的活動と違法活動の両方に仮想通貨が使用されることは衰えをみせることなく増え続けており、現在、世界で3億人以上が仮想通貨を所有していると推定されている。また、現在18,000社を超える企業が仮想通貨での支払いを受け入れている。違法活動では、すべてのランサムウェアの支払いのほぼ80%が仮想通貨を介して行われ、ランサムウェア攻撃による身代金の支払いは、仮想通貨で2021年に200億ドル(約2兆3,666億円)を超えたと推定されている。

VAXUの作成は、現在仮想通貨が犯罪活動に不可欠な役割を果たしており、今後サイバー犯罪や従来の犯罪を助長し続けないようにするために必要であると認めており、DOJ刑事課のケネスA.ポライトジュニア(Kenneth A. Polite Jr.)司法次官補は次のように語っている。

仮想通貨と分散型台帳技術の急速な革新により、サイバー攻撃やランサムウェア、恐喝スキームを助長するため、悪用する犯罪者による不正使用が増加しており、彼らの犯罪の収益を洗い流します。