カンボジアがバイナンス、コインベースを含む16の仮想通貨取引所を閉鎖
カンボジアは、規制されていない仮想通貨市場に対処するため、バイナンス(Binance)やコインベース(Coinbase)を含む16の仮想通貨ウェブサイトをブロックした。
カンボジアは、仮想通貨市場規制の一環として、大手を含む16の仮想通貨取引所のウェブサイトへのアクセスを遮断したと、日経アジアが12月3日に報じた。今回実施された取り締まりは、カンボジアにおける仮想通貨詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)、サイバー犯罪に対する懸念を受けて実施されている。
カンボジア政府による犯罪と詐欺との戦い
カンボジアの今決定は、サイバー犯罪との戦いや、世界の監視機関からの監視の強化など、より深い問題に関連しており、サイバー犯罪と仮想通貨関連の詐欺のホットスポットとしてのイメージを改善するよう圧力を受けている。
UNODC(国連薬物犯罪事務所)の報告書によると、カンボジアの犯罪グループは、マネーロンダリングやダークウェブでの取引などの違法行為に仮想通貨を使用。これらの懸念に加えて、Chainalysis(チェイナリシス)のレポートによると、490億ドル(約7.3兆円)を超える仮想通貨取引が、カンボジアのHuioneグループの主要企業であるHuione Guaranteeに関連していることが判明した。
大規模禁止の対象は大手企業
2024年11月20日、TRC(カンボジア通信規制当局)は102のウェブサイトをブロックする指令を出している。
これらのほとんどはオンラインギャンブルに関連していたものの、バイナンスなどの大手仮想通貨取引所が含まれていたことは多くの人を驚かせている。TRCは、これらのプラットフォームはSERC(カンボジア証券取引規制当局)から適切なライセンスを受けていないと説明。当局によるこの動きは、バイナンスがカンボジア当局の支援に関与していることを考えると、驚くべきものである。2022年、バイナンスはSERCと提携して仮想通貨規制の策定を支援し、その後、内務省職員に仮想通貨関連犯罪への取り組みに関するトレーニングを提供。このような協力実績にもかかわらず、バイナンスは依然としてブロックされたプラットフォームの1つであり、規制の取り組みに混乱をもたらしている。
合法的な仮想通貨運用の選択肢が限られている
現在、カンボジアの「フィンテック規制サンドボックス」プログラムの下、デジタル資産事業を運営する権限を持つ企業は2社のみだ。
これらのライセンスを取得した事業体はデジタル資産を取引できるが、カンボジアの法定通貨であるリエルや米ドル、またはその他の法定通貨と交換することはできない。これらの企業でさえ、デジタル資産を現地通貨または外国通貨に換金できないなど、機能が大幅に制限されるといった厳しい制限に直面している。このような厳しい取り締まりを実行しているにもかかわらず、カンボジアは世界の仮想通貨市場で依然として重要なプレーヤーであり、1人当たりの小売仮想通貨利用で上位20カ国にランクされ、中央集権型取引所が全取引の70%を処理している。
政府が規制を強化するにつれて、規制と仮想通貨市場を前進させる強い需要のバランスを見つけることが課題となる事が予想されている。