中国中央銀行がアルゼンチンのIMF債務不履行回避に協力
ラテンアメリカ開発銀行(Bank of Latin America)からの融資と合わせた中国の中央銀行にあたる中国人民銀行との通貨スワップにより、アルゼンチン中央銀行は、IMF(国際通貨基金)に対する37億ドル(約5,300億円)のデフォルト(債務不履行)回避に協力していたことが分かった。
IMFはブレトンウッズ(※米国ドルを基軸とした固定為替相場制)合意後に設立され、それ以来発展途上国に融資をしてきた。融資は発展途上国を助けるというよりもドルを輸出し、返済で国々を奴隷化するのに役立っているとの指摘もある。アルゼンチンは世界で最も借金を抱えた国の一つとして広く知られている。その悲惨な金融の歴史の中で何度も債務不履行に陥ってきたのが現状だ。今回のデフォルト(債務不履行)回避は、中国人民銀行が介入し、アルゼンチンが17億ドルの人民元通貨スワップを通じてIMF義務を履行する手段を提供したことによって可能となった。
中国現地メディアの報道によると、中国人民銀行とラテンアメリカ開発銀行の介入はアルゼンチンにとって時間稼ぎしか成功しなかったという。アルゼンチン教皇庁カトリック大学のアリエル・ゴンザレス・レヴァッジ(Ariel Gonzalez Levaggi)氏は、アルゼンチンにとって実行可能な解決策とはならないと述べている。ただし、これは今のところアルゼンチンがドル準備金を取り崩す必要がないことを意味しており、それがあれば債務返済に十分ではなく、アルゼンチンを極めて不安定な状況に置くことになると予想されている。
ドル覇権へのさらなる侵食
中国によるこの最近の動きは、債務決済における米ドルの利用を損なう試みであり、かつ脱ドル化の棺に新たな釘を刺すものであると多くの人が見ている。
中国銀行の元法律顧問で国際政治学協会のアレクサンドル・コエーリョ(Alexandre Coelho)氏はこの問題について次のように述べている。
人民元は2016年からIMF通貨バスケットの一部となっているが、債務決済に人民元が使用されるのは一般的ではない。アルゼンチンが選択した道は前例となり、将来的には同様の状況にある他の新興国でも採用される可能性がある。
ビットコインは世界市民にとっての最後の希望
エルサルバドルがビットコイン(Bitcoin/BTC)をドルとの共同法定通貨として採用すると同時に、アルゼンチン中央銀行に対し、融資の支払い要件としてビットコインを避けるという約束を強要していることに対するIMFの痛烈な見解は、恩着せがましく、一種のいじめにも似ている。
世界の金融システムは変化しつつあるが、中国の善意が実際には自らの世界支配を達成するため、米国から金融権力を強奪するだけの手段ではないのかどうかは、まだ分からない。しかし。おそらくこのシナリオは十分あり得るシナリオであり、ビットコインは依然として潜在的に世界国民にとって超大国の支配から抜け出す唯一の方法となっている。政府や政治の支援がないビットコインのような通貨/価値の保存手段は、依然として非常に魅力的な提案である。