スペイン初の35億8000万ドルを越える仮想通貨関連詐欺
スペインで、同国初となる数百万ドルの仮想通貨詐欺の疑いで、国立裁判所に仮想通貨関連の集団訴訟が提起されたことが分かった。
スペインの地元メディアElPaís(エルパイス)によると、集団訴訟は、自称:個人投資家のハビエル・ビオスカ・ロドリゲス(Javier Biosca Rodríguez)に対し、2億5000万ユーロ(約326億円)以上の仮想通貨を詐欺によってだまし取ったとして提訴している。被害者の中には、会社員、退職者、失業者、公証人、裁判官、弁護士、税務調査官、コロナウイルスによる経済危機からの回復を試みた中小企業の経営者など、さまざまな個人投資家が被害に遭っていることが分かった。今回分かった集団訴訟の提訴は、スペイン国立裁判所に提起された初の集団訴訟ではないものの、仮想通貨に関連した訴訟は初めてだと地元メディアは述べている。
集団訴訟のエミリア・ザバロス(Emilia Zaballos)代表弁護士で、2021年3月17日に集団訴訟が提起された。同弁護士は、仮想通貨投資家の影響を受ける人々の協会(AAIC)の会長でもあり、ビオスカ被告による詐欺被害者の数は「毎日増え続けている」と述べており、損害賠償額が約2億5000万ユーロ(2億9800万ドル)になるとしている。ただし、30億ユーロ(約3,900億円)を超える可能性もあると弁護士は語っているとのこと。
2020年11月に崩壊したとされるポンジースキーム
スペイン国立裁判所の文書によると、ビオスカ被告は、クライアントに20~25%の仮想通貨投資で毎週収益を提供するとうたったスキームを構築。集めたお金でビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ライトコイン(Litecoin /LTC)を取得することにスポットを当てていた。
集まった投資家らは最初、Bioscaによる“投資”から利益を受け取っておりビオスカ被告を信頼した投資家らによって名が広められ、さらに多くの投資家をこのスキームに引き付けていった。その後、被告は、2020年1月に約束していた分配収益率を毎週10%~8%にまで削減した後、同年11月後半に顧客への支払いを停止した。
ザバロス代表弁護士は、訴訟はビオスカ被告とその妻、そしてビオスカ被告の長男にまで及んでおり、詐欺やその他の犯罪、不正流用、受領とマネーロンダリング、違法な結社、国庫に対する犯罪、賄賂、企業犯罪、隠蔽と改ざんなどを非難していると述べている。