テザー(Tether)とビットフィネックス(Bitfinex)のCTOが市場操作訴訟で証言

テザーのパオロ・アルドイーノCTOが市場操作訴訟で証言へ

テザー(Tether)のパオロ・アルドイーノ(Paolo Ardoino)CTO(最高技術責任者)は、同社とビットフィネックス(Bitfinex)に対する1.4兆ドル(約2065.6兆円)の市場操作に対する集団訴訟で重要な証言に直面していることが分かった。

同CTOは近く集団訴訟で証言する予定で、この訴訟は2019年以来、両社を巻き込んでいる。さらに、ニューヨークの裁判官は同CTOの証言録取を10月まで延期するという要求を却下し、弁護側は時間を争う状況となった。この訴訟はLeboBTCの共同創設者ジェイソン・リーボウィッツ(Jason Leibowitz)氏が2019年に最初に起こしたもので、テザーとビットフィネックスに対する金融上の不正行為を主張している。その結果、原告団は1.4兆ドルを超える損害賠償を求めている。

告発内容は銀行詐欺からマネーロンダリングまで多岐にわたっているものの、テザーは不正行為を断固として否定している。

アルドイーノの証言の範囲をめぐり緊張が高まる

同訴訟では、金銭的違法行為に加えて、テザー社の準備金の十分性についても調査が行われている。

以前、両当事者は、同CTOの証言録取がどのようなテーマをカバーできるかについて衝突。これらには、取引記録、両社の融資ポリシー、テザーの準備金を保管していたウォレットのギャップ疑惑が含まており、裁判官の最新の命令では、同CTOは議論の余地のないトピックについてのみ発言しなければならないと規定されている。重要な点は、テザーがステーブルコイン市場で64%のシェアを占めていることである。現在の時価総額はなんと836億ドル(約12.3兆円)に達している。しかし、米国の規制当局はテザーの埋蔵量に懸念を抱いており、2022年、両社はニューヨーク州司法長官との捜査で和解した結果、ニューヨークでの事業活動が禁止された。

裁判所は準備不足として被告の行為を指摘

キャサリン・ポーク・ファイラ(Katherine Polk Failla)判事は被告に対し、準備不足は「主に被告自身の責任」であると述べ、鋭い言葉を投げかけたうえ、訴訟のペースについて懸念を表明した。

同判事は、8月以降にもう1つの議題を追加することは被告に大きな負担を与えるべきではないと明言。その結果、市場参加者は両社が複雑な法的状況をどう乗り越えるかを注意深く観察している。今週の証言録取で明らかになることは、これらの企業やより広範な仮想通貨市場に大きな影響を与える可能性があると注目されている。