韓国、公共サービスの近代化に向けて7つの地方銀行がCBDCパイロットを開始

韓国が7つの地方銀行がCBDCパイロットを開始

韓国の金融委員会は、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)と預金トークンに基づくデジタル金融サービスをテストするパイロットプログラムに参加することを7つの同国内銀行に承認した事が発表された。

韓国FSC(South Korea’s Financial Services Commission:韓国金融委員会)は、CBDCと預金トークンのデジタル金融サービスへの応用を模索するため、7つの地方銀行が参加するパイロットプログラムを承認。2024年11月6日(水曜日)付けの公式発表でFSCは、KB Kookmin Bank(国民銀行)、Shinhan Bank(新韓銀行)、Woori Bank(ウリィ銀行)、Hana Bank(ハナ銀行)、Korea Developement Bank(韓国産業銀行)、NH Bank(農協銀行)、Busan Bank(釜山銀行)などの著名な地方銀行がこのパイロットプロジェクトに参加することを明らかにした。

同プログラムは、日常の取引におけるCBDCの可能性を探ることを目的としており、金融委員会のキム・ビョンファン(Kim Byung-hwan)委員長は、このプロジェクトについて、利便性と効率性を高めるため、従来の物理的なバウチャーを分散型台帳に保存されたデジタルバウチャーに置き換えることで、韓国の公共サービスを近代化することを目指していると説明。KB、新韓、ウリ、ハナなどの参加銀行は、銀行預金に裏付けられたデジタル資産を表す預金トークンを発行するという。

同じサービスをより便利に提供へ

FSCは、公共サービスへのアクセスには従来、物理的なバウチャーが使用されてきたと指摘。現在、同国は分散型台帳に保存されたデジタルバウチャーを利用して、同じサービスをより便利に提供したいと考えている。

規制当局によると、このパイロットには、政府がバウチャーを配布および追跡できるようにするデジタルバウチャー管理プラットフォームも含まれているが、FSCはプロジェクトのタイムラインを指定していない。

韓国はCBDCの専門知識を発展させるとともに、仮想通貨市場に対する規制枠組みの強化も続けている。

規制措置を強化の韓国

CBDCの試験運用と並行して、韓国は仮想通貨セクターに対する規制措置を強化しており、規制当局は、仮想通貨を絡めた国境を越えた取引における脱税や外国為替違反を特に懸念している。

チェ・サンモク(Choi Sang-Mok)財務相は最近のG20会議で、国境を越えた仮想通貨の送金に携わる企業は、まもなく当局に事前登録し、毎月の取引を韓国銀行に報告する必要があると発表。同氏は、この予防措置は、違法な資金の流れを許してきた規制のギャップに対処するものだと説明。また、韓国財務省は、国境を越えた取引への影響を考慮し、ステーブルコインに特化した新しい外国為替管理を検討していると報じられている。同省は、韓国ウォンにペッグされたステーブルコインの法的枠組みを策定し、その後、その枠組みを外国通貨にリンクされたステーブルコインにまで拡大する予定とのこと。FSCは、この枠組みを形作るために、日本と欧州連合の規制モデルを参考にすると報じられている。