インドの製薬会社が制裁下のロシア企業に米国製AI GPUを供給

インドの製薬会社が制裁下のロシア企業にAI製品を供給

ウクライナ戦争をきっかけに、西側諸国によるロシアへの制裁を回避するため、インド企業は米国製AI GPUをロシアに供給していると報じられている。

制裁を受けたことでロシアは、インド企業の支援を受けて、AIシステムやプロセスに電力を供給するため、NvidiaやAMDなどの米国企業から高度なプロセッサを密輸。大手メディアブルームバーグの報道によると、インドの製薬会社シュレヤ・ライフ・サイエンシズ(Shreya Life Sciences)は2024年4月から8月にかけて、デル(Dell)のサーバー「PowerEdge XE9680」を、ロシアに数億ドル相当を販売し、米国による制裁を回避。デルのサーバーはインテルの第4世代XeonスケーラブルCPUを搭載し、AIおよびHPCプロセッサー向けにAMDのInstinct MI300XまたはNvidiaのH100プロセッサーを搭載している。

インドの貿易データによると、インドの規制下で合法的に行われた出荷は、ロシアの西側市場を閉鎖した米国のロシア制裁を受けて、2022年9月に始まっており、出荷は、Main Chain Ltd.とI.S LLCの2つのロシア企業に送られた。同報道によると、サーバーはマレーシアにまでさかのぼり、当初はデルのインド子会社から調達されていたという。インドに到着した後、製薬会社はそれらをロシアに出荷したが、PowerEdge XE9680サーバーの800台以上が原産国としてマレーシアと表示されたことでこれらの動きが発覚。今年3月から8月の間に、マレーシアは1,407台のDellサーバーをインドに輸出していた。

シュレヤはロシアへの輸出急増させる

2024年4月初旬にシュレヤ社は、ロシアへのDellサーバーの輸出が急増し始め、平均価格は1台あたり26万ドル(約4,000万円)であった事が判明している。

1995年にモスクワでスジット・クマール・サイン氏によって設立されたシュレヤ社は、医薬品流通に重点を置いた会社であったが、後に製造業に転向。さらに、2022年1月から2024年8月までの医薬品輸出総額2,200万ドル(約33.6億円)に加え、2022年9月にロシアへの制限付き機械輸出を追加した。

同社の初出荷は、ロシアの貿易会社ランプリント社に送られたコンピューターハードウェアで、米国は2023年9月に75万5,333ドル(約1.15億円)で同社を制裁。シュレヤの別の顧客であるシルクウェイLLCも制裁を受けている。ただし、これらの製薬会社は、輸出先をメインチェーン社とI.S LLCに移しており、どちらもまだ米国の制裁リストには載っていない。

他のケースでは、世界最大の契約チップメーカーである台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)が、ファーウェイのプロセッサに自社のチップが搭載されたため、チップ設計会社で中国の企業であるソフゴへの輸出を直ちに停止を決定している。

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